ブルーインパルス、アクロバット飛行訓練中、2機が空中接触


ー松島基地に緊急着陸成功し、搭乗員無事ー

2014年 1月29日 小河正義

アクロバット飛行訓練中の航空自衛隊、曲技飛行チーム『ブルーインパルス』の所属機2機が空中接触したが、松島基地(宮城県)に無事帰還した。両機に搭乗中のパイロット3人は全員無事だった。空中接触の衝撃で1機の機体は水平尾翼片側の半分がもぎとられたが、練達の飛行技術と経験が最悪の結末を食い止めた。

航空自衛隊の公式発表だと、『ブルーインパルス』所属の川崎重工T4中等練習機、2機が空中接触事故を引き起こしたのは、1月29日午前11時24分頃。発生場所は松島基地南東45㌔の宮城県金華山沖の太平洋上。

この日、『ブルーインパルス』の所属機が4機編隊で午前11時13分頃、同基地を離陸。訓練空域でアクロバット飛行訓練中、1番機と2番機が空中で接触した。両機は松島基地へ緊急着陸を要請、1番機は午前11時28分頃、2番機も同34分頃、相次いで無事着陸に成功した。

1番機には友田 要3等空佐(前方座席)、日高 大作2等空佐(後部座席)が搭乗。2番機には日高 明1等空尉、が単独搭乗中だった。3人とも無事で目立った外傷も無かったという。

松島基地で着陸に成功した2機の機体を調査した結果、1番機は機首部分が大きくへこみ速度計測に欠かせないピトー管の一部に欠損が見つかった。2番機は左水平尾翼の半分以上が削がれ内部の構造部材がむき出し状態だった。

『ブルーインパルス』は全国から選りすぐりの腕を持つパイロットが集められ連日アクロバット飛行訓練に没頭。華麗な曲技飛行は航空ファンならずとも釘付けにする。3・11東日本大震災では基地が津波に襲われ、昨年迄、福岡県築城基地へ一時避難を余儀なくされていた。

航空自衛隊では原因究明のため、航空安全管理隊の調査官を現地へ派遣した。

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[(航空自衛隊)全国に熱狂的ファンを持つアクロバット飛行チーム、”ブルーインパルス”]