月別: 2021年1月

人工衛星の電波応用(第1回) -初期の衛星とその応用 –

図1

世界初の人工衛星は、1958年にその当時のソビエト連邦共和国によって打ち上げられたが、その名称に因んで米国にはスプートニク・ショックなる衝撃を与えた。その後、米国は開発を急ぎ約1年遅れで初号機の打上げに成功している。本シリーズでは、人工衛星(以下衛星と呼ぶ)の電波応用に関して、種別ごとに紹介をしたく考えており、今のところ以下のテーマで6回シリーズとすることとしたい。
(1) 各国の初期の衛星とその応用(電波応用を中心として)
(2) 通信衛星
(3) 放送衛星
(4) 衛星測位システム
(5) 観測衛星(電離層、大気観測、地表面観測など)
(6) 深宇宙通信
今回は第1回として各国で初期に打上げに成功した衛星とその応用について紹介をしたい。電波応用という意味では少し外れる内容も含まれるが、各国でどの様な目的をもって初期段階の衛星が打ち上げられたかについて振り返ってみたい。
(The world first artificial satellite was launched by the Soviet Union in 1958. This made a big impact called Sputnik Shock after the satellite’s name to the United States. The US succeeded to launch its first satellite one year after Sputnik. This series is aimed to introduce radio applications of artificial satellites with classifying them into several categories, and the following
(1) Early time satellites and their applications using radio mainly
(2) Communication satellites
(3) Broadcasting satellites
(4) Satellite based global positioning system
(5) Observation satellite for ionosphere, atmosphere, earth surface, etc.
(6) Deep space communication system
As the first report, earlier time artificial satellites successfully launched by each country are introduced, and the intention and objective of each country for its satellites are reviewed.)

我国における「極超音速ミサイル開発」の状況

スクラムジェット技術

防衛装備庁は2020年(令和2年)3月31日付けで「スタンド・オフ防衛能力の取組」と題する研究開発ビジョンを公開、2030年台初頭までに極超音速ミサイルの実用化を目指す、と発表した。これによると2種類の極超音速兵器、すなわち「極超音速(巡航)誘導弾 (HCM=Hypersonic Cruise Missile)」と「(極超音速)滑空型飛翔体(HVGP=hyper Velocity Gliding Projectile)」を開発する。(Japan unveiled plans for hypersonic weapons, expected to enter service in the early 2030s, in a published document by the Acquisition, Technology, and Logistic Agency (ATLA) in March 2020. There will be two classes including Hypersonic Cruise Missile (HCM) and Hyper Velocity Gliding Projectile (HVGP).

変化を拒む文部科学省 ‼ 秋季入学にも抵抗

本稿は鳥居徹夫氏の寄稿である。ポストコロナに向け、世の中はデジタル革命が進行しつつある中で、教育現場もオンライン化を進めなくてはならない。ところが文部科学省は、旧態依然の学校制度にしがみつき、社会全体の「国際化」「多様化」を進展させる「9月入学・始業」にも抵抗している。

かつて臨教審は、秋季入学について「夏休みが学年と学年の間に置かれる意義」を強調。「今日肥大化している学校教育の役割を見直し、家庭や地域の教育力を高めつつ、生涯学習体系への移行を進める視点から見ても大きな意義がある」と指摘したが、教育現場の反応は鈍かった。

コロナ禍で学校の在り方が問われる中で、いま「文部科学省や教育行政は、19世紀に向かって走っている」と皮肉られている。

航空宇宙2021年の注目すべき事項―無人編隊列機から水素燃料エンジンまで

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エビエーション・ウイーク誌は新年号で、同誌のベテラン記者グラハム・ワーウイック氏が書いた「2021年の航空宇宙関係で注目すべき事項・9項目」を掲載した。この内から6項目を選び以下に紹介する。(On Aviation Week / Dec 21 2020 – Jan 10 2021, Graham Warwick describes titled “Watchpoints 2021” covering nine items from royal wingman to hydrogen propulsion. Of which six items trying to explain herewith.)

12式地対艦誘導弾(改)の後継、長射程の「12式地対艦誘導弾能力向上型」の開発が決定

12式対艦誘導弾

日本政府は、敵の攻撃圏外から発射可能な「スタンド・オフ(stand-off)」能力を備える「長射程巡航ミサイル」として、現在配備途上の「12式地対艦誘導弾(改)」の射程(約200 km)を長射程化(1,000 km以上)する「12式地対艦誘導弾能力向上型」開発を決定した。令和3年度(2021)から令和7年度(2025)にかけて394億円を投入して開発する。(Japan proceeds to develop new long range stand-off surface-to-surface missile (SSM), start from 2021 through 2025, funding four million USD. The SSM will fly more than 1,000 km, which covers most of the Eastern China from Okinawa’s Islands. The missile will be composed to stealth fuselage, larger variable wing, new turbofan, and tactical datalink system.)

一歩引いて考えたい「コロナワクチン」の接種

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本稿は木村良一氏の寄稿です。今年最大の話題は、新型コロナウイルス感染症のワクチンになるだろう。イギリスなど多くの国で感染力が強いとみられる変異株が出現し、日本でも見つかった。それだけにワクチンに期待がかかる。日本では早ければ2月に投与が始まる。ワクチンが効果を上げ、感染拡大が収まるのか。あるいは逆に副反応が問題になるのか。しかし開発中のコロナワクチンは、これまでのインフルエンザワクチンと異なる「遺伝子ワクチン」であり、副作用の解明が進んでいないという問題があり、慎重に対応する必要がある。

日本、軍民両用の[光データ中継衛星]の打上げに成功

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政府の「内閣衛星情報センター」とJAXAは、11月29日に光学偵察衛星・レーダー偵察衛星からのデーターを中継・送信する軍事衛星を打上げた。この新衛星は、2017年に役目を終えたデータ中継試験衛星(DRTS=Data Relay Test Satellite)と交代するもの。新衛星は、「光データ中継衛星」と呼ばれ高速「光衛星間通信システム(LUCAS=Laser Utilizing Communication System)」を搭載している。(Japan launched a military communications satellite on November 29, 2020, that will relay data collected by optical and radar-imaging reconnaissance satellites. The new satellite replaces the Data Relay Test Satellite, decommissioned in 2017. The new satellite has a Laser Utilizing Communication System (LUCAS) which makes a network throughput 1.8 gigabite/sec.)