月別: 2022年11月

米英・NATO各國、ウクライナ支援を増強

米国防総省は11月23日に、ウクライナが緊急に必要とする装備、合計4億ドルの追加援助を決定した。これはバイデン政権が発足した2021年8月以降、26回目のウクライナ支援となる。英国政府は11月23日の発表で、就任間もないスナク首相がキーウを訪問、5,000万ポンドの追加援助を申し出た。
(On November 23, the U.S. Department of Defense announces the authorization of a Presidential Drawdown of security assistance valued at up to $400 million to meet Ukraine’s critical needs. This authorization is the Biden Administration’s twenty-sixth drawdown of equipment form DOD inventories for Ukraine since August 2021. U.K. announced additional military aid after new Prime Minister Rishi Sunak visited Kyiv at a few days ago, where announced 50 million Pound package aid.)

“反撃力のシンボル” BGM-109トマホーク巡航ミサイル

10月末メデイアは一斉に、日本政府は北朝鮮・中国・ロシアからの軍事的脅威の高まりに対処するため、米国が作る長射程巡航ミサイル「トマホーク」の購入を検討中、と報じた。(Japan is looking into buying US-developed Tomahawk cruise missiles as it seeks to counter growing regional threats, including from North Korea, China and Russia, the government said end of October.)

令和4年10月、我国周辺における中露両軍・北朝鮮の活動と我国/同盟諸国の対応

令和4年10月、我国周辺における中露両軍、北朝鮮の活動と、我国および同盟諸国の動きに関し、公的部門等から多くの発表があった。注目すべきニュースは次の通り。
1. 10月4日、6日、9日、12日、14日、28日、北朝鮮は弾道ミサイル、巡航ミサイルを発射
2. 10月4日、空自と米海兵隊航空軍は東シナ海で合同演習を実施
3. 10月6日、海自、米海軍、韓国海軍が日本海で共同訓練を実施
4. 10月12日、海自、リチウムイオン電池型潜水艦「じんげい」の命名式・進水式を挙行
5. 2022年度上半期の緊急発進実施状況
6. 10月11日、オーストラリア、カナダ、日本、米国4ヶ国海軍は南シナ海で合同演習「ノーブル・ミスト22」を実施
7. 10月18日、11~18日の間、スールー海で実施したフィリピン、米国、オーストラリア、フランス、日本、各國海軍の合同演習「サマ・サマ・ルンバス2022」が完了
8. 10月21日発表、令和4年度日米共同統合実動演習(Keen Sword 23)を11月中旬に実施
9. 10月27日発表、令和4年度国際観艦式を11月6日に実施
10. その他「SM6 Block 1の日本への売却決定」、「日本政府、トマホーク・ミサイル導入を検討」

存在感のない野党、安心して乱れる自民党

本稿は鳥居徹夫氏の寄稿である。政府は物価高やエネルギー対策など総合経済対策と補正予算案を決定し、国会に提出し年末の出に成立を目指す。
総合経済対策の予算規模を抑制したい財務省と、積極財政出動を求める自民党議員との間でバトルが繰り広げられた。
また来年度の防衛費をめぐっても、港湾整備費なども防衛費に含め水増ししたい財務省と、台湾有事や防衛力強化を目指す自民党議員とが火花を散らしている。来年度の当初予算の編成も大詰めを迎え、年末には「防衛3文書」が改訂される。
岸田首相は、ただでさえメディアに流され、世論調査に一喜一憂している。しかも官邸はリーダーシップを発揮せず、成り行き任せである。いま政府と与党が「安心して」乱れている。それは野党がだらしなく存在感がないからである。

ジャーナリズムは中国・習近平政権をもっと強く批判すべきだ

本稿は木村良一氏の寄稿です。5年に1度の中国共産党大会(第20回大会、10月16日~22日)が北京の人民大会堂で開かれ、閉幕直後の23日には最高指導部の人事で3期目の習近平政権が発足した。習近平氏は来年で「2期10年の任期」を迎え、慣例だと国家主席(党総書記)を退くが、2018年の憲法改正による任期制限撤廃を理由に続投を正当化し、今後もトップに君臨する。