
本稿は鳥居徹夫氏の論考である。日本の親中派には、中国指導部との関係を強調し、それを誇りとする古くからの活動家に多い。
日本の古い親中派がスパイ容疑で、中国で相次いで逮捕された。逮捕された日中友好関係者は「スパイという身に覚えのない容疑で逮捕」されたという思いから「いかに中国共産党や政府に協力していたか」「いかに党の幹部を多く知っているか」を強調したのではないか。
政敵の多い政権基盤を強化したい習近平一派にとって、日本の日中友好関係者は、政敵の炙り出したい習近平にとって好都合であろう。
日本の親中派は、芋づる式に炙り出す情報源として、最大限に活用できるものと言える。
タイラント(暴君)の習近平は自ら権力志向であり、共産主義のためではなかった。『安倍晋三回顧録』によると、習近平は政治権力を掌握するために共産党に入った強烈なリアリストだと感じた、と述懐していた。