米空軍、共同無人戦闘機(CCA)配備を急ぐ。ノースロップ・グラマン[YFQ-48A]は追加試作機に、GA-ASI[FQ-42]とアンドウリル[FQ-44]は量産へ、


2026-7-21(令和8年)松尾芳郎

図1:(Northrop Grumman) YFQ-48Aタロン・ブルー(Talon Blue)は複合材製、部品点数は空軍の第一次選考に提出した原型機の半分、重量は原型機より540 kg以上軽い。「タロン」プログラムは2つで構成される。「タロン・ブルー」は無人機本体/ハードウエア、他は「タロンIQ」、こちらは搭載するシスム・ソフト。

最新鋭の有人戦闘機と行動し空戦を共にする高性能無人戦闘機(CCA= Cooperative Combat Aircraft)試作機にノースロップ・グラマン社が選定された。僅か15ヶ月間で開発された「タロン・ブルー(Talon Blue)」は、空軍から第2次選考で「YFQ-48A」として選定された。

連邦議会は、「CCA」は有人戦闘機よりずっと安価で3分の1のコストで調達可能と予想している。

空軍は「CCA」開発のため2024年に「アンドウリル(Anduril))、「ボーイング(Boeing)」、「ジェネラル・アトミックス(GA-ASI=General Atomics Aeronautical Systems)」、「ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)」、「ノースロップ・グラマン(Northrop Grumman)」の5社と「CCA」開発の初期契約を結んだ。

2025年5月の第1次選考で「アンドウリル」と「GA-ASI」の提案に、それぞれ「YFQ-44」及び「YFQ-42」とする試作機名を付与、選定した。100機を量産する機種決定の前に行う第2次選考では、第1次選考で敗れた企業も含めて選定する、と発表した。

2025年12月に行われた第2次選考で、5社のうち「ノースロップ・グラマン」の「タロン・ブルー」が、「CCA/共同無人戦闘機」試作機「YFQ-48」として追加選定された。

2026年6月17日に空軍は、早期実用化を図るため、第1次選考で選んだ「ジェネラル・アトミックス(General Atomics)製[YFQ-42] と「アンドウリル(Anduril)」製[YFQ-44]の量産契約を締結した。これで型式名称から試作を意味する[Y]が消え、「FQ-42A」,「FQ-44」となった。これで空軍は昨年決めた予定を4ヶ月早めて決定したことになる。

ジェネラル・アトミックスの「YFQ-42」2号機は2025年8月に初飛行を済ませている。

アンドウリル(Anduril)[YFQ-44A]の1号機は2025年10月31日に初飛行。飛行は地上で操縦桿やエンジンを操作しない「セミ自律飛行 (Semi- Autonomously)」状態で行われ、離陸、巡航、着陸を地上から監視するだけで行った。

図2:’(General Atomics)ジェネラル・アトミックス[YFQ-42]。[GA-ASI]はCCA実験機として[XQ-67A]を試作したのが始まり。2025年3月空軍から[YFQ-42]の認証を受け、同年8月27日に初飛行した。

図3:(Anduril) アンドウリル[YFQ-44]。アンドウリルは2023年に大型無人機[Fury]の開発に取組んでいた[Blue Force Technologiea]を買収、これを基にCCAに仕上げた。オハイオ州コロンバスに新工場を設立、[Fury]にソフトとして[Lattice]オープン・システムを組込んだ。2025年3月に空軍から[YFQ-44A]の認証を受け、同年10月に初飛行をした。

量産型として認定された[FQ-42]と[FQ-44]は機体の量産契約だけで、搭載する「頭脳」に相当するソフト「ミッション・システム」と「ミッション・オートノミー(mission autonomy)」は別契約となる。搭載ソフトは、指揮官機の有人機との整合性や改良の柔軟性を高める必要がある。、これを目指して次の6社が開発に鎬を削っている;―

・Anduril(アンドウリル)

・General Atomics(ジェネエラル・アトミックス)

・Lockheed Martin(ロッキード・マーチン)

・Northrop Grumman(ノースロップ・グラマン)

・RTX Collins Aerospace(RTXコリンズ・エアロスペース)

・Shield AI(シールドAI)

これで空軍は、10年以内に150機のCCA(共同無人戦闘機)を配備することを目標に急いでいる。

「ノースロップ・グラマン」は、子会社「スケールド・コンポジット(Scaled Composites)」と共同で「プロジェクト・ロータス(Project Lotus)」、のちに「タロン(Talon )と改名、で小型、簡単、低価格の無人機開発に取組んでいる。第1次選考で敗れた機体に比べ部品点数を半分にし、重量を1000 lbs (545 kg)軽くした。この機体が2025年12月に米空軍の「YFQ-48」として試作機となった。搭載するソフト、つまり頭脳は「タロンIQ (Talon IQ)」プログラムで、この開発も急いでいる。「YFQ-48」の初飛行は2026年に予定している。

「YFQ-48」は細長い胴体、ラムダ型後退翼、胴体上面にエンジン空気取入れ口(air inlet)、エンジンはP&WC製PW500系列を使う。

[PW500]はビジネスジェット機用に開発されたターボファンで、「セスナ・サイテーションIIブラボー」、「同V エンコア」などから「エンブラエル・フェノム300」ビジネス機、さらにGA-ASI 「MQ-20アベンジャー」無人機などに採用されている。推力は3,000 lbsから4,600 lbsの範囲をカバーする。

図4:(Pratt & Whitney Canada)「PW500」のカットビュー。構成はファン1段、高圧コンプレッサーは軸流2段プラス遠心1段、高圧タービンは1段、低圧タービンは2段。5,000台近くが生産され高い信頼性を示す。

終わりに

米軍は、F-15EX、F/A 18 E/F、F-22、F-35などの有人戦闘機に随伴し先航して、危険な敵の防空網を突破、対地攻撃・対空戦闘を行い、有人機の活動を助ける「共同無人戦闘機 (CCA= Collaborative Combat Aircraft)」の実用化を急いでいる。

2024年にプログラムを開始、2025年5月に第1次選考で「アンドウリル」と「GA-ASI」の提案にそれぞれ「YFQ-44」、「YFQ-42」の試作機名を付与、選定した。

2025年12月の第2次選考で新たにノースロップ・グラマン提案を「YFQ-48」として追加試作機に指名した。

2026年6月に試作機「YFQ-42」、「YFQ-44」をそれぞれ「FQ-42」、「FQ-44」と改め量産契約をした。同時に搭載する頭脳/ソフトウエアーの開発を6社に求め、その中から選定することを決めた。

この手順で10年以内に150機のCCV配備を急いでいる。

昨今の中国のアジア太平洋区域での台頭に著しい危機感を抱いた表れである。

―以上―

本稿作成に参照した主要記事は次の通り。

  • U.S. Air Force News Dec. 22, 2026 “Air Force designates Northrop Grumman’s Talon prototype as YQF-38A”
  • US Ari Force News June 17 2026 “Air Force advanced future of air superiority with CCA contracts” 
  • US Air Force News June 17, 2926 “Air Force advances future of air superiority with CCA contracts”
  • General Atomics News 17, June 2026 “U.S Ari force Awards GA-ASI Production Contract for FQ-42A CCA”
  • Anduril News o6/17/2026 “Anduril Wins Production Contact for U.S. Air Force CCA Program” by Mark Shushnar
  • Aerospace Global News April 30, 2026 “Forget the drone, Northrop’s Talon is building the brains of future airpower” by Joanna Bailey
  • TokyoExpress 2025-7-31 “GA-ASIとAndurilが開発中の 無人戦闘機/CCAの現況“
  • TokyoExpress 2025-11-23 “無人機、巡航ミサイルに関連したニュース“