7月24日インド洋に着水一旦水没したが、再浮上に成功、クリスマス島に曳航



2026-8-21(令和8年) 松尾芳郎

SpaceXは7月24日に「スターシップ(Starship)」40号機を使った第13回目の打上げで、計画通りインド洋に初めての着水に成功した。

ウエブサイト「Space.com」は8月18日付けで、SpaceXは着水したスターシップ40号機を回収すべく、回収チームが24日間インド洋の荒波に悩まされながら回収作業を続けた。8月7日には、SpaceXは「40号機は水没回収は不成功」と報じた。しかしその後再浮上に成功、8月半ばには静かな海面に曳航することができた。

(SpaceX Starship Flight 13 test launch, performed first successful ocean splashdown on July 14. The spacecraft landed in the Indian Ocean as planned and the SpaceX  Recovery team tried to haul it to port. Over the past 24 days, the Team faced very rough sea condition. A website “Space.com in July 23” says , “August 7、post on SpaceX was not success to haul Ship40 safely to shore. However, they have now reached calmer waters.)

スターシップ宇宙機は長さ52 mあり、現在インド洋上のクリスマス島に接岸、検査を待っている。検査はSpaceXが派遣する技術者チームが行い、済んだらテキサス州にあるSpaceXスターベース(Starbase)に送る予定。

図1:(SpaceX)第13回試験飛行で使われたスターシップ40号機、クリスマス等の港湾に曳航されるところ。

図2:(SpaceX)インド洋上で曳航を待つスターシップ40号機。

クリスマス島は西オーストラリア州ブルーム(Brooms, West Australia)から北西1,900 kmのインド洋上にあり、ほぼ全島が国立公園、年に一度「蟹(red land crabs)」が大群で上産卵する事で知られている。

図3:(Wikipedia) クリスマス島(Christmas Island)はインドネシア、ジャワ島の南350 kmのインド洋上の島で面積は135平方キロ。1942年に日本軍が占領したが、1945年8月以降しばらくしてオーストラリア領となった。

既報したが、第13回試験飛行は、スターシップ、スーパー・ヘビー・ブースターともに「バージョン3(V3=Version 3)型を使用した。「V3」型の飛行試験はこれが2回目となる。1回目の試験「Flight 12」は去る5月に行われたが、不成功に終わった。この時はスーパー・ヘビーのエンジンが不具合で十分な推力が出ず、スーパーヘビーはメキシコ湾内に軟着水できず衝突、スターシップ宇宙機39号はインド洋に軟着水したが、倒れて爆発した。

図4:(SpaceX) 7月24日打上げから5日後の7月28日、インド洋上に浮かぶスターシップ40号機。

スターシップ40号機は爆発しなかったので、使用後の機体の状況を詳しく調べる良い機会となった。今後、空力特性の是非、油圧系統の状況、耐熱タイルの性能、および全体設計について詳しい調査が行われる。得られた成果は41号機以降に逐次適用される。

2027年には、スターシップ V3は、地球周回軌道でNASAオライオン宇宙機(Orion Spacecraft)と会合、ドッキング試験を行う。

その後2028に行われるNASA月面有人着陸計画「アルテミスIV (Artemis IV)」計画につながる。

SpaceXは、スターシップ41号機とスーパーヘビー・ブースターを組合せた第14回試験を準備中で、8月末に実施する。この試験ではスターシップ41号機を発射塔まで戻し、「箸(chopstick)」で捕捉、再使用への道を開く、としている。

―以上―

本稿作成の参考にした記事は次のとおり。

  • Space.com 2026-08-19 “Starship lives! SpaceX craft arrives at Christmas Island after 23-days ocean ordeal” by Josh Dinner
  • TokyoExpress 2026-8-12 “スペース X、スターシップ第13回試験飛行、衛星放出とインド洋着水に成功“