エチオピア航空の乗っ取り犯は副操縦士。スイスで亡命要請


2014年2月17日    ジョン・ボスニッチ(ベオグラード)

乗客202人が搭乗したエチオピア航空機がローマへ向かう途中、2月17日未明、乗っ取られ犯人の指示でスイス・ジュネーブに行き先を変更した。ハイジャック犯はその後、同航空の副操縦士と判り該当機の着陸迄ハラハラした航空、治安関係者を唖然とさせた。犯人は着陸後、ロープで地上へ脱出、スイス当局へ亡命を申し出た。

ハイジャック騒ぎに巻き込まれたのはエチオピアの首都アジスアベバ発ローマ・フィミチーノ行きエチオピア航空702便、ボーイング767-300型機。同機がスーダンのハルツーム上空を高度11,800㍍付近を北上中、事件が起きたらしい。他の乗員が化粧室へ向かった隙に機体を操縦、ローマを通過しジュネーブに向かったという。

機体からすでに緊急事態を発生を知らせるレーダー信号が発信済み。スイス航空当局は犯人の要求を受けジュネーブ空港への受け入れ準備を急ぐ一方、空軍戦闘機が万一に備え護衛任務体制に入った。エチオピア航空機は空港上空で30分間旋回後、同日午前6時過ぎ、無事着陸した。

スイス治安機関の捜査で犯人は副操縦士(34)と判明。着陸後、自分で操縦席の窓を開き、ロープを伝わって地上へ脱出。当局に身柄確保されたという。

乗客や乗員に危害は全く及ばず、機体への影響も無かった。犯行の動機や背景等スイス当局が捜査中だ。