中国機、尖閣列島接近で航空自衛隊スクランブル


2014年2月21日      小河正義

中国の電子情報収集機等2機が2月21日、尖閣列島に接近したのを受け航空自衛隊はF-15J『イーグル』戦闘機にスクランブルを命じ、警戒監視に当たった。

防衛省統合幕僚監部によると、2月21日、東シナ海上空を南下し、防空識別圏を超え、尖閣列島に接近する国籍不明機を南西航空混成団の防空レーダーが発見した。国籍不明機は複数で別個に行動、うち1機は同列島に90㌔北方に迄接近。他の1機は140㌔北方で針路を転換した。何れもその後、中国大陸方面に飛び去った。

14-02-23中国機航跡

 

図:(航空自衛隊)2月21日、中国空軍所属の電子戦偵察機Tu-154は尖閣諸島北方140km、また中国国家海洋局所属のY-12は90kmまで接近した後反転、引き返したが図はその航跡を示す。

那覇基地で、待機中の複数のF-15Jが直ちに緊急発進。国籍不明機の確認の結果、1機は露製トゥポレフTu-154型3発ジェット旅客機を改造した中国空軍の電子偵察機と判明。尖閣に最接近した機体は中国国家海洋局所属の双発ターボプロップ機、Y12型機と識別された。

14-02-23中国機

 

図:(航空自衛隊)昨年11月23日スクランブル時に撮影した写真。トウポレフTu-154旅客機を改造し電子戦情報装置(ELINT)と合成開口レーダーを胴体下に搭載し[Tu-154M/D]として4機が運用中。詳細は、本ブログ2014-01-23「増強著しい中国空軍の現状(その1)6ページに記載済みである。

14-02-23中国海監機

 

図:(航空自衛隊)中国国家海洋局所属のY-12機。双発ターボプロップで脚出しのまま飛行する性能陳腐な小型機。嫌がらせのための飛行しかできない。

両機とも領空侵犯には至らなかったという。中国機の尖閣列島接近に伴う空自のスクランブル公表は1月7日以来。NHK等の報道では米海軍太平洋艦隊司令部の情報部長、ジェームス・ファネル大佐が先頃、中国軍は尖閣列島制圧を意図した大規模訓練を昨秋、実施と言明したばかりだ。自衛隊に取っては南西諸島の防衛でこれ迄以上に厳しい情勢が待ち受けている。

–以上−