2014年4月11日(JST.13:50) John Bosnitch 露軍の侵攻はあるのか。ウクライナ東部国境で開戦前夜の雲行きになっている。『NATO(北大西洋条約機構)最高軍事司令部』は4月10日、露軍の集結状況を捉えた複数の衛星写真を公開、『35,000~4万人規模の露軍大部隊が、露西部国境付近で半日で行動可能』と警鐘を鳴らした。NATO軍は、露軍の動きを即時キャッチするため、早期警戒管制機AWACS『E3Dセントリー』、3機がポーランド、ルーマニア領空から警戒監視中だ。NATOのエンダース ・ラスムッセン(Anders Rasmussen)事務総長は同日、チェコの首都プラハへ飛びボシュファフ・ソボクタ首相とウクライナの新たな危機対応を協議する等、慌ただしい動きが欧州に広がっている。 NATOが公開した衛星写真は19枚。サイトにアクセスすれば自由に一部を閲覧出来る。該当の露軍基地名、所在地は不明だが、内1枚は滑走路手前の駐機場にずらりと並んだ戦闘機、爆撃機が識別出来る。AFP等は戦車、装甲車の集結写真などもを配信している。撮影は『デジタル・グローブ』の民間企業衛星。解像力は冷戦時代のスパイ機や偵察衛星に匹敵する性能と言われる。 NATO欧州軍の最高司令官、フィリップ・ブリードラブ将軍はウクライナ国境に存在する露軍部隊の規模は35,000~4万人と推定。証拠を握っているという。更に衛星写真から黒、白で外部塗装した多数の戦車、装甲車、ヘリコプター、ジェット戦闘機が写っていると言い、撮影期日は3月22~27日と指摘した。露軍の即応部隊の展開場所はウクライナ国境からわずか40㌔のボルゴラドも含まれる。 しかし、ロシア軍参謀本部は直ちにノーボスチ通信を通じ反論。公開された衛星写真は昨年8月13日の軍事演習を撮影したもの。現在のロシア西部国境付近とは違う状況だとしている。『コンバット・コモンウェルス・2013』の同演習にはウクライナ軍も参加していたと皮肉った。 ラスムッセンNATO事務総長は4万人の露軍が国境付近で即応体制下にあると非難し、ウクライナ危機打開のため、クレムリンに対し、軍事力の撤収、交渉のテーブルにつくよう促した。 [(NATO)ウクライナ危機打開で東奔西走するエンダース・ラスムッセンNATO事務総長] [(露国防省)ロシア西部の戦力強化を急ぐロシア空軍のマッハ2.8級迎撃戦闘機、ミグMIG25]