2014年4月19日(JST.07:40) 小河正義
露空軍・戦略爆撃機の3個編隊が日本列島周辺で、4月18日、また威力偵察飛行を仕掛けてきた。防衛省統合幕僚監部の発表で明らかになった。3月26日以降、ほぼ連日の露軍機へのスクランブルは航空自衛隊、第一線パイロットを疲弊させる巧妙な罠の一つかも知れない。
[(航空自衛隊)4月18日も露空軍・戦略爆撃機編隊の三波に渡る”威力偵察飛行”が日本列島周辺で実施された。]
防衛省統合幕僚監部は4月19日未明、前日の4月18日、対露軍機を対象にしたスクランブルの事実を公表した。それによると、4月18日、韓国に近い日本海西部で防空識別圏(ADIZ)を超え、九州方面へ南下する複数の国籍不明機の機影が、航空自衛隊西部航空方面隊の防空レーダーにキャッチされた。福岡県・築城基地から24時間待機中の要撃戦闘機2機が直ちに発進した。該当機に接近し、機種を判定したところ露空軍の長距離戦略爆撃機、トゥポレフTu-95『ベア』と判った。2機編隊だった。該当機は対馬列島、沖の島間をすりぬけ東シナ海を経由し、南西諸島へ回り込んだ。その後九州~北海道の太平洋側に接近、相変わらずの威力偵察飛行を継続した。多数の空自機がこの間、警戒監視活動で緊急発進を余儀なくされた。
[(航空自衛隊)太平洋側を重点に威力偵察飛行をした露空軍・戦略爆撃機トゥポレフTu-95″ベア”]
第2陣もやってきた。4月18日、根室沖、オホーツ海を経て北海道宗谷岬方面に防空識別圏(ADIZ)を超え接近する複数の国籍不明機の存在が、航空自衛隊北部航空方面隊の防空レーダーに捉えられた。千歳基地から待機中のF-15『イーグル』戦闘機2機が緊急発進。パイロットの報告で露空軍・戦略爆撃機トゥポレフTu-95『ベア』の2機編隊と判った。該当機は北海道・礼文島~山口県北方の日本海側で往復の威力偵察飛行を実施した。
[(航空自衛隊)第2波の露空軍・戦略偵察爆撃機、トゥポレフTu-95″ベア”]
4月15日と同様に、第三波が出動した。オホーツ海に再び複数の国籍不明機が出現、ADIZ(防空識別圏)を超え北海道に接近した為、千歳基地から、F-15『イーグル』戦闘機の編隊が警戒監視で離陸した。接近してチェックした結果、露空軍戦略爆撃機、トゥポレフTu-95『ベア』の2機編隊と突き止めた。両機は北海道・礼文島~石川県・能登半島沖の日本海側で往復偵察飛行を行なったという。自衛隊と露軍の間では最高幹部同士の相互訪問等信頼性醸成の交流が行なわれてきた。最近の友好無視の露軍の異常な対日偵察活動実施はせっかくの努力も無駄な事を証明しだした。
[(航空自衛隊)第三波の露空軍・戦略爆撃機、トゥポレフTu-95″ベア”]