2014年4月25日(JST.17:00) John Bosnitch
エアバスは4月25日、日機装ベトナムをベストセラー機種、A320ファメリーの補助翼部品供給サプライヤーに選定したと公表した。『シャークレット』と名付けた主翼両端の大型ウイングレット部分について一次サプライヤーの大韓航空航空宇宙事業部と共同で生産作業にあたる。
ベトナムは航空市場が高度成長の真っただ中。エアバスは1990年代に売り込みに成功し、その後、同国を代表するベトナム航空がA320型、59機、A330-200型、10機を保有する有力顧客に育て上げた。今後、更なる発注が有望視される。
日機装ベトナムの親会社、日機装(甲斐敏彦社長、資本金65億4千万)は『CFRP』(炭素繊維強化プラスチック)の製造で航空機部品メーカーとして着々と技術力を磨いてきた。現在、主翼後縁の製造で実績がある。日機装ベトナムは航空部品製造でアジアの拠点の一つに育てる戦略も見え隠れする。
CFRPは 1)軽量で強度に優れる。2)優れた耐久性。3)熱膨張、熱収縮がきわめて低い。ーなど、B787型、A350XWB型に代表される次世代省エネ機に欠かせぬ材料。今回、A320ファメリーの補助翼サプライヤーに選ばれたことで、日機装は欧州航空産業界にも重要な橋頭堡を築いたと言える。
エアバスによると、A320ファミリーは10,250機以上を受注。既に6,000機が引き渡し済み。先行するボーイングのB737シリーズとの差を次第に狭めだした。A320ファメリーが装着する大型補助翼は形状から『シャークレット』の愛称がついた。既存のデザインより空力性能が一段と向上。省エネ、排気ガス削減に資するという。A320neoファミリーでは標準装備。在来型のA320フアメリーでは希望社にのみ取り付けている。