2014年5月10日(17:35) Aaron Terruli
米フロリダ州上空で着陸直前の小型双発ジェット旅客機が無人機と衝突寸前の異常接近に巻き込まれたことが判った。ウォール・ストリートジャーナルが特ダネで報じ、他の有力メディアが追っかけ報道した。昨年、3月にもニューヨーク、ジョン・F・ケネディ空港でアリタリア航空機が着陸直前、無人機と異常接近の機長報告が提出されたことがある。無人機の利用範囲が今後、拡大するのが時代の趨勢であり、新たな安全飛行対策の確立が求められる。
無人機との異常接近に遭遇したのはフロリダ州タラハッシー空港付近。この事実を明らかにしたのはFAA(米連邦航空局)の無人機の安全対策を統括する幹部の一人、ジム・ウィリアムズ氏。発生したのは3月22日。シャルロッテ発タラハッシー行き『ブルーストリーク・エアラインズ』(US Airwaysの子会社)の小型双発ジェット旅客機、ボンバルディアCRJ-200型機で同空港へ最終進入着陸中だった。空港から約5㌔、高度690㍍付近で、突然、無人機が前方に出現、衝突寸前の至近距離ですれ違ったという。機長は回避操作が間に合わない距離だったと管制塔に報告した。
FAA(米連邦捜査局)が無人機の操縦者を捜査中だが、現時点では判っていない。FAAの飛行ルールでは無人機の高度120㍍以上の飛行を禁じている。
昨年3月、ジョン・F・ケネディ空港で着陸態勢のアリタリア航空機が同空港約5㌔南東、高度約520㍍付近を降下中、長さ1㍍以下の無人機が最接近時、60㍍迄、異常接近したという。
小型無人機とはいえエンジンに吸い込まれた場合、内部で重大な損傷を引き起こす。”ハドソン河の奇跡”として知られるエアバスA320型の不時着水事故では、複数の海鳥がエンジンに飛び込み、滑空飛行での緊急着水を余儀なくされたケースで怖さが判る。