ウクライナ東部で9人乗り軍用ヘリ、ミサイルで撃墜


2014年6月25日(JST.06:50)                                John Bosnitch

混乱が続くウクライナ東部で9人が搭乗の軍ヘリコプターが撃墜された。全員死亡した。反政府組織、親ロシア派の武装勢力が発射した、携帯式地対空ミサイル(MANPADS)の標的となった。事態を憂慮したペトロ・プロシェンコ、ウクライナ大統領が1週間の現地での停戦を取りやめる模様だ。

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[(MIL Helicopter JSC)撃墜されたウクライナ軍のミルMi-8中型ヘリの同型機]

ウクライナ東部で9人が搭乗のウクライナ軍ヘリが携帯式地対空ミサイルの”餌食”となった。反政府組織、親露武装勢力の攻撃だった。ウクライナ軍は同地域での反政府勢力掃討作戦で一段と攻撃作戦をエスカレート中と露有力メディア、現地の親ロシア派が主張している。

露の政府系メディアは、ヘリ撃墜事件が起きたのは6月24日午後5時頃(現地時間)。ロシア系住民が優勢なウクライナ東部、ドネツク州。スラビヤンスク近くの山岳地帯だった。

政府軍砲兵陣地がある高地の戦略拠点へ軍事物資を輸送。基地へ帰還のため上昇中、携帯式地対空ミサイルが命中したという。9人全員が死亡した。6月14日未明、起きた49人乗りウクライナ空軍大型輸送機、イリューシンIL76撃墜事件以来のウクライナ政府側の悲劇だ。

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[(MOD RF)撃墜されたイリューシンIL76型機と同型の派生機]

ウクライナ軍はスラビヤンスクを中心に掃討作戦を強化。攻撃は民家や農地を根こそぎ破壊するほどと露マスコミは報じる。

ペトロ・プロシェンコ大統領の紛争集結の1週間停戦も急遽中止は避けられない。プーチン大統領が露議会上院に測ったウクライナ問題沈静化の政治決断にも影響は出そう。

ウクライナ情勢の混迷は再度、露軍の本格的関与の”危険な兆候”を孕んでいる。