2014年7月5日(JST.16:10) Aaron Terruli
東太平洋を豪州に向け南下中のエアバスA380型機の客室天井から大量の水がシャワーの 如く噴き出し、出発空港へUターンを余儀なくされるトラブルが7月1日、未明発生した。幸い同機はロサンゼルス空港へ離陸から2時間半後に無事着陸、乗客乗員に負傷者は無かった。
トラブルに巻き込まれたのはロサンゼルス発メルボルン行き、カンタス航空94便、エアバスA388型機(乗客乗員数は不明)。
離陸30分後、東太平洋を高度、9,600㍍で巡航中、突然、機体後部のエコノミー席へ天井から大量の水が噴き出した。床や、座席は瞬く間に水浸し。シャワーのような勢いだったと言う。
エコノミー席の乗客90人は被害が無かった客席へ客室乗務員の誘導で避難。寒さをしのぐ毛布がすぐさま提供され、パニック状態にはいたらなかった。
同機の機長は、長丁場になるメルボルンへの飛行継続を取りやめ、乗客の快適性維持のサービス精神でロスへの引き返しを決断。7月1日午前2時35分(米太平洋夏時間)、ロス空港に着陸した。
天井から大量の水が噴き出した原因は、2階席に設置した水供給配管が破断したらしい。A380型機では過去例の無いトラブルだった。製造時に問題があったか、配管そのものの欠陥かなど現在調査中。
発生時の乗客の撮影写真では1階席の床が大量の水で覆われている様子が確認できる。発生直後、ギャレー(調理室)、客席のエンタテーメント設備が故障。しかし操縦に欠かせぬシステム等は防護装置などで影響は出ない設計。
『客室内座席で成層圏を飛行中に雨に打たれるとはついぞ聞いたためしがない』と乗客の一人は苦笑い。『カンタス航空は長距離飛行を飽きさせない』とジョークを飛ばした。
[(AIRBUS)客室で”シャワーの洗礼”を浴びるとは、粋な計らい?]