2014年7月22日(JST.11:50) John Bosnitch
マレーシア航空、B777型機撃墜事件で、事故機のブラック・ボックスが正式にマレーシア航空側に引き渡された。最終的には国連の下部機構、『ICAO(国際民間航空機関)』の手に渡る。マレーシア政府のナジーブ・ラザク首相自らが、現地のドネツク州自治共和国政府を訪ね、7月21日午後7時、親露派反政府組織代表と引き渡し合意文書に署名した結果だ。
記者団を前に、ボロディ・自治共和国首相は『これがブラックボックスだ』と実物を示した。引き渡しの条件は、ICAO側に引き渡すとし、ウクライナ側には手を触れさせないとの確認がなされた模様だ。
記者団に公開した橙色のブラックボックスは表面の一部に泥が付着、多少のへこみが感じられる。引き取りに立ち会ったマレーシア側の専門家、モハメッド・サクリ大佐は『ブラック・ボックスの状態は良好のようだ』と外観の印象を語った。
予想外に早いブラック・ボックスの引き渡しはプーチン大統領の意向も反映しているとクレムリン・ウォッチャーの観測。
ブラック・ボックスはFDR(飛行記録計)、CVR(音声記録計)の2種類で構成される。データの解読には専用の機器が必要。米ハネウエル社製の該当機種の解読装置はICAOに常備している。
ブラック・ボックスの引き渡し完了で欧米と露間のマレーシア航空撃墜事件の刺が一つとれた。
露メディアは事故現場で事故調査団が行動可能な様に、ウクライナ政府と、親露派反政府組織との間で、半径40㌔圏内の停戦合意がなった。
一方収容された遺体は検視を受けるためアムステルダムに空輸。空港へ向け、遺体を保管した冷凍車輛を牽引した列車が、発車したという。