米空軍、F16D『ファティング・ファルコン』82機を飛行停止。操縦席の構造部材で亀裂発見。


2014年8月21日(JST.20:30)                                   Aaron Terruli 米空軍が操縦訓練に使用するF16D『ファイティング・ファルコン』を飛行停止させている事が判った。米空軍が8月19日迄に指示したという。複座型の同型機の半数以上が対象で、恒久対策が必要か否か、米空軍とロッキード・マーチンが共同で対応策の策定を急いでいる。 F16D複座型操縦席で亀裂が見つかったのは、『ロンジロン』と呼ばれる、前部と後部のパイロット席の構造強度を支える『縦通部材』。整備作業中に、該当機の1機で亀裂が発見され、同型機157機で緊急点検を実施したところ、82機で亀裂の発生がみつかったという。 亀裂が発見されなかった72機は飛行継続を決定。通常のパイロット訓練に使用している。亀裂が見つかった機体については、恒久対策を講じる必要があるのか、機体の点検間隔を短縮し、亀裂の進行具合を厳しく観察する措置で済ますのか、メーカーの技術的構造強度の分析を待つと見られる。  『ロンジロン』の強度不足は米空軍の主力戦闘機F15C『イーグル』が2007年11月ミズーリー州で空中分解事故で経験している。調査の結果、『ロンジロン』に使用した、構造部材が設計と異なる部品を使用していた事が判明した。一時は米空軍のF15『イーグル』全シリーズが飛行停止に追い込まれ、米本土の防空機能に穴があくことが危惧された。 事実、露空軍は戦略爆撃機を北米の防空識別圏に接近させ、米空軍の戦力低下に探りを入れる動きに出た。 F16D型を除く、他の機体に影響は無く、米空軍のスクランブル、海外紛争地域での作戦行動に制約はなさそう。 米空軍によると、F16D型の機体年齢は平均で製造から24年が経過、5,500飛行時間を越える経年機ばかり。新造機に更新する時期が目前だが、空軍の予算が次世代空中給油機、KC46『ペガサス』、次世代ステルス戦闘機F35JSF『ライトニングⅡ』に優先配分され、他機種にまわす余裕は限られている。オバマ政権の国防予算削減のしわ寄せで、潜在的に同様の問題を抱える空軍の戦闘機部隊に取って、いずれ抜本的な対策が求められるかもしれない。 040528-F-1740G-004.JPG [(US AIR FORCE FSCT SHEETS)F16(ファイティング・ファルコン)単座型。"ロンジロン"の欠陥が判ったのは-D型複座型の機体]