米露、両国軍が黒海周辺で不気味な動き


2014年3月13日(JST.0:40)                      John Bosnitch

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[(Ilyushin)パラシュート部隊の空輸任務で主力機となるイリューシンIL-78輸送機]

2014年3月13日(JST.0:40)                    John Bosnitch

露軍がウクライナに近い、中西部で大規模なパラシュート部隊の有事即応訓練を実施している事が明らかになった。露有力メディアが3月12日報じた。3,500人の降下兵が36機のイリューシンIL-78大型輸送機に乗り組み、あらゆるシナリオを想定して3月14日まで実戦訓練を繰り広げるという。3月16日、クリミア半島の所属についてレファレンダム(国民投票)が行なわれるのを睨んで露側が更なる軍事圧力をかけているのに間違いない。

一方、米海軍は同時期にアーレイバイク級ミサイル駆逐艦『トラックストン』(9,648㌧)が黒海に入り、ルーマニア海軍と領海内で合同軍事訓練に臨んでいる。同時にロシアの対岸トルコのアナトリヤ軍港に3月9日、地中海一帯を守備範囲にする第6艦隊の空母機動部隊を率いる原子力空母『ジョージ・ブッシュ』(97,000㌧)が入港していると米海軍が報じた。事前の計画にもとずく親善訪問の一環としているが、クリミヤ半島で連日、制圧へ向けた軍事行動中の露軍の動きに強力な空母艦載機の攻撃部隊で圧力をかける狙いが窺われる。

米露はクリミヤ半島の運命について完全に意見が異なるが、ロシアのラブロフ外相-米、ケリー国務長官の交渉ルート維持で正面対立を回避する戦略も見えてくる。しかし、歴史は計算違いで情勢が一気に”新冷戦”勃発へエスカレーとするかもしれない。米露両軍の動きは気になる。