マレーシア航空、B777型機行方不明(第17報)=秒読み段階の機体残骸確認=


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[(ilyushin)マレーシア航空機の捜索活動で中国が派遣したイリューシンIL-76Dの同型機]

2014年3月24日(JST.17:00)      John Bosnitch & Aaron Terruli

乗客乗員239人を乗せ行方を絶ったマレーシア航空、B777型機の機体残骸発見が”ファイナル・カウントダウン”段階に入った。 豪州の西方、2,500㌔の南インド洋上で衛星写真が大きな浮遊物を相次いで捉える中で、中国の捜索船が3月24日になって多数の浮遊物を該当海域付近で 発見したことが明らかになった。豪州政府の関係者は一連の浮遊物が比較的近距離の範囲に集中している事実から 、マレーシア航空の機体の残骸の可能性が一層強まったと見ている。日本の海上自衛隊対潜哨戒機も含め米、豪州、ニュージーランドの捜索機を逐次投入し、浮遊物の正体の確認を急ぐ。

南インド洋上での浮遊物発見は3月16日、米商業写真衛星『ワールド・ビュー2』(デジタル・グローブ運用)がトップバッター。次いで中国の軍用衛星『天分1号』が3月18日  、比較的近い海域でサイズの似た浮遊物確認を伝えた。そして3月23日、仏の衛星の浮遊物探知情報が 伝わった。これらは写真解析でB777-200ER型の主翼片側とサイズで酷似している物体も含まれているという。更にコンテナー輸送時の木製パレットの破片が多数周辺で見つかり衛星写真が発見した浮遊物が行方不明機との関連が濃厚になっている。

現在集中捜索の対象となっている南インド洋海域は59,000~68,500平方キロと広大。陸地からの距離も豪州西部の捜索拠点パースから2,500㌔以上。往復航続距離に余裕があり、巡航速度が相当程度早くないと空中からの捜索に制限が強いられる。このためマレーシア政府は米、豪州、ニュージーランド、中国に加え日本からも合計10機の出動を仰ぎ3月24日も、夜明けを待って懸命の捜索を急いでいる。相当早い段階で、浮遊物と行方不明機との関連見極めのタイミングが迫っていると見る専門家は多い。

一方、米海軍はマレーシア航空機が搭載していたブラック・ボックス(飛行記録計と音声記録計の総称)が自動発信する信号音を捉え、機体の大半が横たわる位置特定にハイテク・ソナーを提供する。『曳航式ソナー』と呼ばれる装置だ。米第7艦隊の当局者はバッテリーの寿命が1ヶ月で、時間との制約を考えると機体の残骸と浮遊物の関係が決定的となれば速やかに同装置を発見現場海域に出動させるという。探知能力は深さ6,600㍍の海底で発信しても対応出来る。これから数日間が機体発見の正念場になりつつある。