宇宙飛行士、若田光一さん無事帰還。次のISS(国祭宇宙ステーション)船長を育て、宇宙開発に予算配分を


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[(JAXA/NASA)帰還直後、健康診断を受けるJAXA若田光一・宇宙飛行士]                       2014年5月15日(JST.13:00)                   小河正義

 

ISS(国祭宇宙ステーション)の初の日本人船長を務めた、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の若田光一・宇宙飛行士(51)が無事、地球に帰還した。188日間の長期間宇宙滞在だった。『和の心』をモットーに、米露の宇宙飛行士と力を合わせ、数々の成果をもたらした。JAXAの活動は、『理化学研究所』のSTAP細胞をめぐる”泥仕合”に比べ爽やかではないか。60億㌔の宇宙空間を飛行、遠隔操作で、隕石の物質解明に貢献した『はやぶさ』の快挙と並び、若田光一さんの活躍は日本人のプライドをくすぐった。JAXA、NASAによると、地球帰還用の露製、宇宙船『ソユーズTMA-11』は5月14日午前10時58分(日本時間)、中央アジア、カザフスタン共和国の大平原に見事、ランディングした。昨年11月7日、若田さんら3人が乗り組み打ち上げ基地となったバイコヌール宇宙センターからさほど遠くない地点。ヘリコプター、救援車両がすぐさま到着。搭乗していた若田光一(JAXA)、ミハエル・チューリン(露宇宙庁)、リチャード・マストラキオ(NASA)各宇宙飛行士の無事確認した。

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[(JAXA/NASA)無事帰還を喜ぶ宇宙飛行士、回収部隊関係者]

若田光一・宇宙飛行士の地球周回軌道上での重要な使命は、1)船長としての6人の宇宙飛行士リーダーにかなう指導力、危機回避の判断。2)日本製小型衛星の放出、発射。3)高感度カメラを利用した彗星の撮影。4)休眠状態の昆虫蘇生実験。ーなど。

若田さんはスペース・シャトルをふくめ4回目の宇宙飛行。アームロボット操作の達人で持ち前の明るい性格、チャレンジ精神に見られるパーソナリティーで宇宙開発大国の米露関係者を唸らせた。JAXAの将来を担う人材に育ちつつあるの喜ばしい限りだ。こうした活躍が近い将来の船長候補に油井亀美也元戦闘機パイロット(44)が擬せられていることでも判る。

しかしすべてが順風万般という訳ではない。ISS運用で日本は8,000億円の負担を強いられた。それにしては金額に見合う成果が乏しいとの議論。国の宇宙開発基本計画では、来年は400億円をしぼるという。

こうした方針は拙速の様に思える。NHK、民放の宇宙船着陸時の生中継は、全国を興奮させた。宇宙空間は未開の原野。そこへの探査参画することは暗いニュースで滅入る日本人を改めて鼓舞する機会を提供する。『そこに宇宙空間がある限り。—-』。安倍政権成長戦略三本目の矢にJAXAへの支援を怠ってはならない。