北朝鮮の拉致被害者大量帰国か?64人が来週にも、政府専用機で帰国


2014年06月13日(JST.11:40)                     外交・政治評論家 伊達国重

北朝鮮の拉致被害者が大量帰国する可能性が浮上した。在京、国際情報筋が筆者に機密情報として6月13日、明らかにした。横田恵さんが含まれる可能性も否定できない。北朝鮮に渡った日本人妻も同時帰国するという。政府は帰国者数が確定すれば、安倍総理が搭乗して、北朝鮮の平壌空港へ政府専用機を差し向ける準備を始めた。

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[(航空自衛隊千歳基地HP、航空自衛隊)雁行飛行する日本の政府専用機、B747-400型機]

安倍総理は小泉内閣の官房副長官時代から北朝鮮の拉致被害者、全員救出へ半ば政治生命を賭けてきた。今回、拉致被害者の大量帰国との予想外の展開は、総理官邸と北朝鮮、金正恩第一書記との間に想像以上の交渉ルートの存在を窺わせる。

在京の国際情報筋は1)拉致被害者の帰国者数は64人か場合によってはそれ以上。2)北朝鮮に渡った日本人妻が200人帰国予定。3)平壌から羽田へ直行飛行するため政府専用機を準備。更に数が増えれば2機を同時派遣。4)帰国者数が確定した段階で安倍総理自らで迎えのため平壌に飛ぶ。ーが骨子だと言う。

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[(航空自衛隊)政府専用機の客室レイアウト]

日本、北朝鮮間の交渉は目下最終の詰めの段階で、この情報に接しうるのは安倍晋三総理、菅義偉官房長官、外務省の一握りの関係者、防衛省、自衛隊、警察公安当局ーなどに限定しガードは固い。

政府専用機の護衛のため航空自衛隊のF15『イーグル』戦闘機投入も検討中だという。

北朝鮮の金正恩第一書記が大英断を下した背景は、中国との関係悪化。昨年12月張成沢(チャンソンタク)元国防副委員長の失脚、処刑が背景にある。中国の代理人を失い怒りが収まらない習近平国家主席は原油、食料の鴨緑江越えの輸送を完全にストップ。北朝鮮経済は瀕死の瀬戸際。更に、北朝鮮の近、中距離ミサイルのターゲットが中国北東部、瀋陽軍管区の通化駐屯第2砲兵部隊の弾道ミサイルに置かれているのに人民解放軍が激怒。北朝鮮はミサイルを万一の際、抑止力にしたいという。

対日関係の正常化で、経済支援を引き出し国内の安定と、国民の離反を何としても阻止する必要がある。

この情報が正しければ安倍外交は未曾有の成果を上げたことになり政権基盤は盤石となろう。集団自衛権行使容認論の風向きが追い風になるに違いない。