黒海でのNATO軍事演習、米イージス巡洋艦参加に露警戒感強める


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[(US NAVY)米イージス巡洋艦”ベェレ・ガルフ(11,400㌧)]

Sukhoi jet fighter Su-24 takes part in "Peace Mission-2009" in Taonan tactical training base of Chinese People's Liberation Army

[(MOD RF)露空軍の対地、対艦攻撃機,スホーイSu24″フェンサー”]

2014年7月8日(09:50)                          John Bosnitch

黒海でのNATO軍事演習に米海軍のイージス巡洋艦の参加が明らかになり、同海域で対抗して軍事演習中の露艦隊が緊張している。『黒海が煮えたぎっている』と露有力メディアはロシア側の警戒感を報じた。

露メディアによると、黒海入りした米海軍イージス巡洋艦はノーフォークが母港のタィコンデロガ級ミサイル巡洋艦『べェレ・ガルフ』(11,400㌧)。7月8日、ボスポラス海峡を通過、黒海入りが確認されたという。NATO軍が実施中の恒例の演習『Sea Breeze-2014)』参加が派遣目的だと言われる。1997年以降始めた『Sea Breeze』は露側も熟知しているが、今回はクリミア半島併合とウクライナ東南部の混乱と言う新情勢で、露側は国益を脅かす恐れがあるといつになく警戒している。

このためNATO側の動きに呼応して7月4日から対抗軍事演習に突入。艦船20隻、航空機20機、海兵隊、沿岸砲兵隊を動員する臨戦並みの規模。特にクリミア半島のセバストポリ、北カフカス地方のノボロシスクの防衛と全域での反撃に最重点を置くという。黒海艦隊所属艦船が母港を出払う体制で露側の黒海覇権争奪で譲歩無しとの明確な姿勢だ。

6月半ばのNATO海軍黒海演習の際、露空軍は対地、対艦攻撃機スホーイSu24『フェンサー』2機を米海軍ミサイル駆逐艦『ドナルド・クック』上空に12回接近。最接近時は150㍍上空に迫る威嚇行動に出た。冷戦終結後、米露が対峙する厳しい瞬間だったらしい。

イージス巡洋艦ベェレ・ガルフ』の投入でNATO海軍部隊は、対機雷掃討作戦能力に加え、対航空機、対水上艦、対潜水艦に格段の攻撃能力を与えられる。

未確認情報では、『露側のクリミア半島制圧時、米海軍の特殊部隊『シールズ』が待ち伏せ攻撃で多大な人的損害を出した』。同部隊はビン・ラディン捕獲作戦で武勲と英雄的な行動で賞賛を浴びた精鋭だ。