中国の民間旅客機市場、向こう20年間で3倍に成長


中国の民間旅客機市場、向こう20年間で3倍に成長

ー-ボーイング、中国の新規需要5,580機と見込む。米国を抜き、世界第一位ー-

 

2013-09-06小河正義

ボーイング社は9月5日、最新の中国民間旅客機市場の向こう20年間の最新予測を公表した。北京で同社、旅客機開発担当最高責任者のスコット・ファンチャー副社長が記者会見で明らかにした。それによると中国市場は5,580機の新規需要(7,800億ドル相当)が予測され、現在の3倍の規模に膨らむと見る。米国市場を抜き、中国が単独市場として世界NO1に踊り出るという。

会見に同席した市場分析専門家、ランディー・ティンセス部長は中国の民間航空機市場の高度成長を支えるのは年率7パーセントの経済政長と指摘。中国発着、アジア域内間の航空旅客需要をさばくため2032年迄に5,580機の旅客機の新規需要が発生するとしている。

機体のサイズ別内訳では最も需要が多いのが単通路の狭胴体型。90~230人乗りが3,900機(3,700億ドル相当)、90人以下のリジョナル・ジェット機が240機(100億ドル相当)。ボーイングにとってB737MAX次世代型機売り込みに欠かせぬマーケットだ。

客室に2通路を配置する広胴型機の場合は200~300人乗りの機体需要が730機(1,700億ドル)と最大。ついで300~400人乗りが610機(2,000億ドル)、乗客数400人以上の機体は100機(300億ドル)と見込む。B787『ドリームライナー』、B777型2機種に取って魅力溢れる市場と分析し2013~2032年の中国市場のマーケット・シェアーは機数で16パーセント、金額ベースで同じく16パーセントと試算している。

向こう20年間で中国の民間航空機市場が3倍に膨らむことになり、世界最大だった北米市場を抜き世界NO1にのし上がる。中国市場ではエアバスもA320型機の現地生産等の”特典”を武器に激戦を繰り広げている。ボーイングが中国市場の新たな攻略で如何なる新戦略を打ち出すか世界が注目している。