ー競合の京浜急行羽田空港線に対抗。乗客目線の設計ー
2013-09-11 小河正義
東京モノレール(社長:中村弘之)が17年ぶりに新型車両導入を決め、9月10日発表した。”スマートモノレール”を設計のコンセプトに置き、乗客目線で内外の利用者に羽田往復の快適空間を提供する。2014年7月に営業運転に投入、順次、旧型車量から更新していく。2020年の東京五輪開催が決まり、羽田空港は国際線を含むハブ空港機能見直しが必至で、第5滑走路、新設等利用者の増加に見合うアクセス対策が急がれる。新型車両導入はこうした要請に応える一方、ルートが競合する京浜急行羽田線への挑戦状だ。
[東京モノレールが来夏、導入を始める新型車両10000形。写真提供:東京モノレール]
東京モノレールによると、現行車両の手荷物空間が狭いとの不満が聞かれ、改善の要望に応えるべく、車内のスーツケース置き場を拡充する。手荷物がかさばる国際線旅客が望むところで、羽田の国際線機能の拡充を見据えた早手回しの対策だ。単調な車内のデザインも座席、車両間の貫通扉で『和』のもてなしを演出する気配り。乗せてやるから、乗って頂くーと乗客中心のデザイン。IT技術をふんだんに使用、4ヶ国語表示の液晶ディスプレイを各ドアに設置。外人への優しいサービスを打ち出した。公衆LANサービスを設置して、利用者に車内でも高速インターネットサービスに不自由しない情報空間が用意してある。
スマートさプラス安全な落ち着き、東京モノレールはすべては乗客の為の路線を貫いた新型車両導入だ。前回の新型車両(2000形)は1997年。開業50周年に合わせて2014年7月に最初の編成が路線にデビューする。同モノレールは1000形(6両編成)が96両、2000形(同)を24両保有。最古参の車両を今回投入する10000形すべて切り替える計画。京浜急行羽田線は成田空港との直結路線の利便性で羽田空港アクセスの主役だった東京モノレールの座を脅かしている。新型車両導入の他、都心部へのルート延伸を検討する時期だ。
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