『安倍首相と経済界で広がる”阿吽の呼吸”。東京五輪開催の追い風に乗れ!』
ー高い内閣支持率に自信持つべし。日本再生のチャンスは2度と訪れないー
2013-09-20 やぶにらみ左膳
安倍内閣の支持率が再び上昇軌道に乗った。NHK、民放、有力日刊紙の直近の世論調査で、内閣支持率は65.2パーセント(フジTV)の数値も出るほど、国民の安倍内閣への視線は熱い。前回、8月半ばに比べ10ポイント以上の上昇で『支持しない』の声は一桁台に落ち込んだ。東京五輪招致成功での指導力が深い感動を呼び、内閣支持率を押し上げたのは間違いないが、このところ鮮明なGDPの伸びなど政策が上滑りでないことで国民各層が覚醒されつつある。安倍総理はこうした追い風に遠慮せず乗ってもらわねばならない。最も重要なことは経済界が日増しに安倍内閣へ信頼を寄せ、双方で”阿吽の呼吸”がぴったり合いだしたことだ。日本再生の最後のチャンスが安倍内閣誕生で巡ってきたわけで、”天の恵み”を一体となって生かそう。
安倍首相の特筆すべきは自ら先頭に立つ行動力だ。民主党政権下、4年間で味わった政界指導層への不信と不満が日ごと拭われつつある。NHK、朝日に代表されるマスコミ進歩派は安倍内閣の粗探しの姿勢からなかなか抜け出せないようだが、国民の多くがSNS時代の情報ソース多様化で個人の発想に革命が起きていることを旧態依然のジャーナリストが見誤ると落伍者になってしまうだろう。世界がマーケットの経済界には時代の流れをいち早くつかみ対応することが生き残りの途との認識が定着している。安倍総理の行動力が20年以上続いた”日本の失われた時代”と決別させるパワーと感じ取っている。
結果、双方の間で自然に”阿吽の呼吸”が広がりだした。来年、8パーセントの消費税増税に踏み切るにせよ、せっかくつかんだ『アベノミクス』成長路線の目を摘まぬため法人税の実効税率引き下げへ官邸が舵を切ったことで安倍-経済界の信頼関係は予想以上に深まりだした。『安倍晋三はちゃんとやるべきことをやる』。”阿吽の呼吸”が加速度的に広がりだした。民間企業の設備投資意欲回復こそが『アベノミクス』成功の鍵である。及び腰だった経済界が東京五輪招致成功や福島原発汚染水処理で見せる安倍首相の力量に強い信頼と将来をかける気になりだしたことを見逃してはならぬ。
経済界の深奥に通じたエコノミストは証言する。『政局不安定の過去6年間を振り返れば判る。経済活動がメリハリなくだらだら続くのに企業経営者は耐えられない。安倍首相の民間活力優先の政策は、消費税増税後の需要反動減を乗り切り景気回復のテンポは早めるとみる。つまり設備投資は買い』と読む。ドーンと一時落ち込んだ方が逆バネが利くと意外にも強気の見通しになりだしたのである。
もっと言わせてもらう。東京五輪開催決定が経営者のマインドを180度転換させた。東京五輪開催の経済効果は諸説あるが数十兆円規模に膨らむとのお見立てが有力になりだした。いや日本の経済システムを根幹から切り替える契機となり、さらなる壮大な需要を創出するかもしれない。マスコミでご高説を垂れるエコノミストが如何にいい加減かは国民の大半が嫌というほど味わった。企業経営者の目の色が明らかに変化し、将来へ自信を持ち出したとの声はこのところ多い。
具体例を2、3上げさしてもらおう。東京五輪開催で選手団のみならず関連観光客の訪日数は桁違いになる。たちまち日本の空港の受け入れ体制、能力がやり玉にあがる。官僚任せでは羽田、成田、関西、中部の4大国際空港をたばにしてもとてもさばけそうにない。彼らの発想が貧困なことは未だに完成空港と程遠い成田空港の現状を見れば判る。アジアでハブ空港の先頭を切るはずだったが、後発のシンガポール・チャンギ、上海・浦東、ソウル・インチョン、香港・チェクラップコクなどに置き去りにされるばかり。羽田の一部国際化も中途半端に留まる。答えは簡単だ。羽田のC滑走路沖に第五の滑走路(4,000メートル級)を建設、同時に既存のC滑走路(3,000メートル)を500メートル延長。欧米主要空港と直結可能な空港に変貌させることだ。東京都の猪瀬知事は米軍横田基地の民間機発着解放の前知事、石原構想を持ち出し、羽田第五滑走路構想を退けた。都港湾局が海上ルートの制限で東京港コンテナー機能を失うことを恐れているのに”悪のり”しただけ。ポスト東京五輪の首都圏の経済成長路線維持で羽田のアジア・ハブ空港機能が欠かせぬことを無視しててはならない。
東京五輪開催で羽田の空港発着能力見直しの動きが太田昭宏・国土交通省大臣の発言で明らかになると、羽田へのアクセス確保で山手線『高輪駅』(仮称)=品川ー田町のJR電車基地跡地=の建設促進に弾みがつき出した。隣接用地の区画整理で『国際経済特区』構想実現も同時進行の雲行きだ。品川、大田区が再開発の恩恵で様変りするかもしれない。羽田ハブ空港化一つだけでも裾野の広い経済波及効果が期待出来る訳で、プロジェクトを再点検すれば経済界が待ち望んだ日本再生へのドラマの幕が上がりそうだ。
JR東海が建設ルート、途中停車駅を公表したリニア新幹線もこうした経済成長循環に輪をかけよう。東京ー名古屋間の建設はどんなに頑張っても間に合わぬが神奈川県・相模原ー甲府間の部分実験線開業で世界最先端のリニア高速鉄道技術を海外へ発信する絶好の機会となる。五輪開催で来日する外国政府関係者を積極搭乗招待し日本の鉄道技術の先進性を世界へ印象ずけようではないか。
[FRB(米連邦準備制度理事会)のベン・バーナンキ議長、写真提供:FRBのHPより]
GM、フォードなど米国経済の屋台骨の復活に加えシェールガス開発でエネルギー資源外交の王手をつかんだ米国だが、経済成長のエンジン全開には手間取っている。FRB(米連邦準備制度理事会)のベンジャミン・バーナンキ議長が市場の予想を覆しドルの市場放出抑制をためらったのが動かぬ証拠だ。景気回復でアジア等発展途上国から大量の商品輸入が可能なレベルに米国経済は回復していない。安倍政権に対し、”日米同盟の証”として世界経済を成長路線に戻す協力を求めてくるだろう。だから東京五輪開催で米国は舞台裏で支援を惜しまなかったという。
安倍内閣は経済界と”阿吽の呼吸”がぴったり合う今、日本再生の大胆な経済政策を実行すべきだ。