ボーイング747-8型機、減産体制へ。10年以内に曲がり角


『ボーイング747-8型機減産体制へ。10年以内に曲がり角』

ー2015年を通じ月産能力1・5機に縮小。当初見込みの2割強減ー

2013-10-18   マーク・デブリン(米フロリダ州マイアミ)

ボーイングがジャンボ最新型シリーズの月産能力を縮小する。同社が10月18日発表したところだと、B747-8型機について2015年を通じ月間1・5機の生産に留めるという。超大型機に対する市場の需要がこのところ低迷しているのに対応する措置だという。同型機の将来についてボーイング民間航空機・営業企画担当ランディ・ティンセス上級部長は揺るがないとしている。しかし、ライバルのエアバス A380型機に競争力を失いつつあり、自社の次世代型B777-Xリーズと市場が重複する等、前途は厳しいとの見方が少なくない。1970年、大量航空輸送時代の先駆者としてデビューしたB747型機も向こう10年以内に生産継続か否かの重大な曲がり角を迎えそうだ。

747-8I #1434 FBJ K65050-03

 

[減産を決めた747-8型機の生産ライン。写真提供:ボーイング]

ボーイング民間航空機の発表だと現在B747-8型機の生産ラインがあるシアトル郊外、エバレット工場では同型機を月産、1・75機のペースで製造中。それを2015年いっぱい、月産、1・5機の生産能力に落とすという。同社の当初見込みからすると、年間24機のペースで生産を計画していたと言い、これに比べると今回の減産決定でB747-8型機の生産体制は21%縮小する計算だ。

減産を決定した背景について、超大型機に対する市場の需要低迷だとしている。その一方で、航空貨物市場が2014年になれば回復の兆しが出てくると指摘、B747-8型機の貨物専用機の需要回復に期待をかけている。B747-8型機はこれ迄に107機を受注、51機が引き渡し済み。旅客機型はルフトハンザ航空が注文した19機。大半は貨物専用型機。超大型機の市場予測で、ボーイングはB747-8型クラスは向こう20年間で780機、総額2,800億ドルの受注が見込めると計算している。

しかし、ライバルのエアバスA380型機が着々、超大型機の旅客機市場を侵食。B787-8型機の出番が限られてきた。2013年のB747-8型機の受注はキャンセル分を差し引くと現時点でゼロ。ルフトハンザに続く旅客機型の使用航空会社を見いだすのに苦闘しているという。ボーイングはエアバスの次世代型旅客機の攻勢に立ち向かう為、来月、B777-Xシリーズの最終案を公表する。航続距離、燃費、静粛性等、最新のテクノロジー投入でB777型機を様変りさせる計画だが、皮肉にも同機はB747-8型機の市場とぶつかる可能性が高い。

B747型機の誕生は世界の航空の歴史を一変させる機体だった。デビューから半世紀が近ずく中で、曲がり角を迎えつつある。双発大型ジェット旅客機のエンジン性能の向上と信頼性確保で多発ジェット機は旅客機間の省エネ戦争で生き残れそうにない。エンジン数が省エネ性能に直接係わってくるからだ。米国の航空専門家は早ければ5年、おそくとも10年以内にジャンボ・ジェット機の生産継続か否かを決断する日が来ると見る。