米空軍、次世代空中給油機(ボーイングKC-46A)開発製造が順調に推移


2013-10-23      マーク・デブリン(米フロリダ州マイアミ)

2013-10-24  Revised

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図:(Boeing)米空軍次世代型タンカーKC-46Aの完成予想図。KC-46Aは、ボーイング767-200の貨物型767-2Cを基本にし、KC−10タンカー用の給油ブームを改良し取付け、両翼にはホースリール給油装置も併設し、いずれの給油方式にも対応できる。コクピットは787方式のデイスプレイとなり、フライバイワイヤ・システムを採用。機体は全長50.5m、翼幅48.1m、翼端はウイングレット無し、最大離陸重量188㌧、エンジンはPW4062推力63,300lbs (282kN)を2基。全システム装備済み初号機の初飛行は2015年初めになる。

米空軍の次世代空中給油機(ボーイングKC-46A)の開発製造が順調に推移している。ボーイングによるとテスト用機体4機のうち、このほど3番目の機体組み立て作業がシアトル郊外のエバレット工場で始まったという。2015年、同型機が初飛行するのに備え1号機が来年初頭、製造ラインから姿を現す。

米空軍の次世代空中給油機はエアバスとの激しい受注競争をへて2011年2月末、ボーイングが射止めた。一旦決まったエアバス機選定を覆す大逆転劇だった。米空軍が選定した次世代空中給油機は『KC-46A』と命名。ボーイング製の双発ハイテク旅客機B767-200型機をベースに開発製造が決定した。計画では、2017年8月までに先ずKC-46A 18機を納入、そして2027年迄に合計179機を完成、配備する予定となっている。これが米空軍空中給油機部隊の中核、KC-135ストラトタンカー、416機の後継機となる。開発費を含む179機の調達費は総額448億㌦(約4兆4000億円)に達し、単一の国防契約として過去最大である。

KC-135ストラトタンカーは最終号機が完成してから半世紀以上が経過。機体の老朽化に伴う運用面の支障、整備費用の増加など米空軍に取って次世代空中給油機導入は最優先の機材調達面の課題となっていた。ボーイングによるとシステムラボで2番目の給油ブームの組立てが同時並行で進行中だ。

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