ーB787『ドリームライナー』増産体制が軌道に乗り、市場アナリスト予測を上回るー 2013-10-24 マーク・デブリン(米フロリダ州マイアミ) 次世代広胴型旅客機、B787『ドリームライナー』の増産体制が軌道に乗り、ボーイング社の業績に弾みがつき出した。同社が10月23日、公表した2013年第3四半期の業績で分かった。民間航空機部門が快調でB787型機を中心に合計131機を納入、対前年同期比売り上げを1割増やしたという。その一方で『向こう数年間にB787型機の増産強化で50億ドルの追加投資を見込み、既に開発段階で投じた200億ドル強の投資』(シアトル・タイムズ紙)と合わせ採算ベースに乗せるには更なる受注獲得が不可避だろう。 ボーイングによるとB787型機は現在シアトル郊外、エバレット工場とサウス・キャロライナ州チャールストン工場の二本立てで増産体制を確立しつつある。目下、月産10機だが、2016年末迄に同12機、10年以内に同14機体制に加速。今年の新規受注分131機を含む890機の注文をさばく。初飛行の遅れや、リチューム・イオン電池トラブルで混乱した生産体制を正常化し、増産体制へ切り替える事で追いすがるライバル、エアバスのA350XWB型機との競争条件を有利に持ち込む戦略だ。 2013年第3四半期の業績向上を支えたのは同社のドル箱機材、B777型機が月産8機で順調に進行している事だ。こうしたことから2013年通年の旅客機納入見通しは635~645機とはじく。エアバスが年間、600機が納入目標。昨年、ボーイングが10年ぶりに奪い返した年間、納入実績”No1の座”は確保しそう。この数字は民間航空機メーカートップの勲章に繋がりシアトルに笑みが戻ってきた。 ただ,B787型機は航空会社の期待とずれがある。ディスパッチ・リライアビリティ(定時運航信頼性)が97%で目標の99%を依然、下回ったまま。ボーイングに対しエアラインから早急な改善を求める要求が強い。操縦室の液晶パネル画面に出される機器のエラーメッセージの原因となっているソフト・ウェア問題の解決も喫緊の課題として突きつけられている。 –以上−