2013-10-24 小河正義
図:(統幕監部)「旅洲(Luzhou)」型ミサイル駆逐艦、中国海軍最新の駆逐艦で、満載排水量7,100㌧、ロシア製SS-N-20 対空ミサイル射程150kmを搭載、8連装VLS 6基に納めている。後部甲板はヘリコプター発着用となっている。
図:(統幕監部)「旅洲(Luzhou)」型ミサイル駆逐艦は2隻が就役しており、これは艦番号116の「瀋陽(Shenyang)」。共に北海艦隊に配属されている。
図:(統幕監部)2008年から就役開始の最新型フリゲイト「江凱II(Jiangkai II)」級の一つで、艦番号538「煙台(Yantai)」。本級は12隻就役中で後続艦4隻が2013年中に完成する予定。満載排水量約4,000㌧、HHQ-16対空ミサイル32基をVLSに収納、ヘリコプター発着甲板を後部に備える。完成度の高い艦で中国海軍の外洋進出の中核となっている。
図:(統幕監部)同じく最新型フリゲイト「江凱II(Jiangkai II)」級の艦番号529「舟山(Zhoushan)」上空からの撮影なので艦容が良く判る。兵装は上記の他にYJ-83対艦ミサイル2基、76mm単装砲、30mm CIWS 2基などを備えている。
図:(統幕監部)同じく最新型フリゲイト「江凱II(Jiangkai II)」級の艦番号530「徐州(Xuzhou)」
防衛省統合幕僚監部は10月24日夜、中国海軍の”ミニ艦隊”が南西諸島を横断する第一列島線を超え、太平洋方面に進出中と発表した。西太平洋海域で実施中の大規模演習『機動-5号』の一環と見られる。
統合幕僚監部によると10月23日午後6時頃、沖縄県宮古島北々西約300㌔の東シナ海で、西太平洋方面に進出中の中国海軍”ミニ艦隊”を哨戒中の海上自衛隊第一護衛隊群(横須賀基地)の護衛艦『いかずち』(4,550㌧)が発見した。中国の”ミニ艦隊”は『ルージョウ級』ミサイル駆逐艦2隻、『ジャンカイⅡ級』フリゲート艦3隻の合計5隻で構成されている事を確認した。針路は南東方向。その後、24日朝、宮古ー沖縄本島間の第一列島線超えで西太平洋海域に向かったのを認めた。
新華社通信は10月18日から11月初めにかけ西太平洋を舞台にかってない規模の演習を実施すると報じている。コードネーム『機動-5号』と名ずけ、北海、東海、南海の3艦隊が出動。第一段階の黄海での演習では艦船、100隻と航空機、30機が参加。次いで南海艦隊が西太平洋に進出するという。海上自衛隊が発見した中国海軍の” ミニ艦隊”はこれと関連すると見られる。
在京国際軍事筋は離島奪還を想定した防衛省幕僚監部が統帥する陸海空、三自衛隊による来月上旬の統合演習を睨んだ動きの一つとも見ており、今後の中国艦隊の行動への警戒監視活動を強化する。いずれにしても、これだけの新型艦が隊列を整え、沖縄列島を超え太平洋に進出するようになったのは、我国の安全保障上見過ごすことのできない重大事と云うべきである。
[海上自衛隊の護衛艦”いかずち”。写真出典:海上自衛隊HPギャラリー]