露・電子偵察機接近で航空自衛隊、緊急発進


ー日露・外務防衛両相会談の当日、クレムリンがカウンターパンチー

2013-11-01   小河正義

防衛省統合幕僚監部は11月1日、ロシアの電子偵察機が中国地方に接近したのに対応し、要撃戦闘機のスクランブル(緊急発進)を行なったと発表した。

同日午前、日本海中部を南下する国籍不明の機影に航空自衛隊、西部航空方面隊の防空レーダーが気ずいた。小松、築城の両基地で待機中のF-15、F-2要撃戦闘機がスクランブル。警戒監視に当たった。

パイロットの報告で該当機は露空軍の電子情報収集偵察機、イリューシンIL-20SUD型機と判明した。単独機による偵察飛行。島根半島沖付近で南西に針路を変え、対馬列島東方でUターンし、往路をたどり沿海州方面に去ったという。防空識別圏(ADIZ)の内側に侵入したが、領空侵犯は発生しなかった。

機体のシリアルナンバーから10月、今回と同一コースを2回飛行した機体の可能性が強い。映像分析で胴体前方下面に大型電子情報収集ポッドが見られる。胴体後部側面にはフェーズド・アレー・レーダーアンテナが装備されている。機体の外板塗装も新しい印象で、第一線部隊への国防予算が行き渡っている様子がうかがえる。

今回の飛行の目的は、過去2回の同種フライトを重ね合わせると『京都丹後半島の経ヶ岬に設置予定の米軍、弾道ミサイル探知用”Xバンドレーダー”に探りを入れた』(在京国際軍事筋)と見られる。ロシアのノーボスチ通信は日露2プラス2協議で同レーダー問題を取り上げると報じている。

安倍総理と、プーチン大統領の間で日露関係改善へ向け初の2プラス2協議開催が決定。11月2日、第一回会議開催の直前、ロシア側が浴びせたパンチは手厳しいと言わざるを得ない。プーチン政権の裏に見え隠れする冷酷さが改めて浮き彫りになったと言えよう。プーチン大統領との個人関係をことのほか吹聴する首相経験者がいるようだが、ロシア外交の狡猾さに勝つには力を背景にしないと難しい。

11:1スクランブル

 

[(航空自衛隊)露海軍・電子偵察機の中国地方日本海側、接近の航跡]

11:1スクランブルIL-18

 

[(航空自衛隊)露海軍・電子偵察機、イリューシンIL20SUD]