露中部で国内線旅客機墜落。乗客乗員50人全員死亡


2013-11-17      ジョン・ボスニッチ(ベオグラード)

11月17日夜、ロシア中部ボルガ地方のタタールスタン共和国で、国内線旅客機、ボーイング737-500型機が着陸に失敗、大破炎上した。露非常事態省によると搭乗していた乗客、乗員50人は全員死亡が確認された。事故機には同共和国大統領の子息、FSB(連邦保安局)最高幹部が乗り合わせていた。プーチン大統領は事故調査委員会の立ち上げを指示したが、地上目撃者情報から複数回、着陸のをやり直していたという。現時点では、テロ行為の可能性は薄くパイロットの操縦ミスの可能性が浮上している。

露非常事態省などの情報を総合すると墜落事故を起こしたのはモスクワ・ドモジェドボ空港発カザン空港行きアクバール・アエロ所属U9-363便。乗客44人と乗員6人が乗り組んでいた。

事故機は11月17日午後7時25分頃(現地時間)、カザン空港で3回目の着陸を試みた際、失敗。機体は地上激突時の衝撃で粉々に破壊、炎上したという。現地当局は全員死亡したとしてる。

非常事態省によると犠牲者の中には タタールスタン共和国大統領の子息と同FSB最高幹部、アレクサンドル・アントーノフ中将の搭乗が確認されている。

同空港の滑走路は長さ3,750メートルの平行滑走路が2本があり、B737型機の発着には十分すぎる。視界不良時にも対応可能なカテゴリーⅡの誘導性能がある。これまでの調査結果では事故機は2回、着陸をやり直し、3回目に滑走路付近に激突したとみられる。管制塔にはエンジンなど機体の異常報告はなかったという。機体は1990年頃から路線就航しているが、これまでの使用経歴は不明。現地の航空専門家は人的ミスの可能性を示唆している。

カザンはモスクワ東方約800㌔、ボルガ河沿いで人口110万人。