ボーイング、年間旅客機生産数で2年連続首位確保。B787型機の量産体制確立が貢献


2014-1-06    マーク・デブリン(米フロリダ州マイアミ)

 787-9の初飛行

図:(Boeing)ボーイング787は、2011年にANAで就航し始めて以来これまでに累計で1億6千万kmを飛行し1,000万人の旅客を輸送した。787は、現在就航している[-8]と新型の[-9]が生産中で、胴体延長型の[-10]も昨年6月パリ航空ショーで102機の受注を得て開発が決定した。写真は2013-09-17に初飛行した787-9、本機の引渡しは2014年7月頃から始まる。[-10]はエアバスA350XWBと直接競合する対抗馬となる筈だ。

787は、これまでに多数のカストマーから1,030機を受注し、内114機が引渡し済みである。

a350xwb3号機14-01-2発表MSN2

図:(Airbus)エアバスが1月2日に発表したA350 XWBの3号機”MSN2”の写真。現在本機は完全な旅客機としての内装を装備して型式証明取得テストに参加中である。外観の塗装はカーボン複合材をイメージしたもの。A350-XWBには[-800]、[-900]、[-1000]の3機種があるが基本型は[-900]。A350は現在JALを含む39社から814機を受注している。就航開始はA350-900で2014年末になる予定。

ボーイングの年間旅客機生産数が過去、最高を記録したことが判った。ライバルのエアバスを押さえ込み、2年連続首位を確保したのは確実だ。

躓いた次世代省エネ機、B787『ドリームライナー』が復活、量産体制を確立したことが背景にある。同社の”打ち出の小槌”、B777型次世代タイプ、Xシリーズが中東の航空界を中心に事前予約をかっさらい空前の受注残に貢献。ボーイング民間航空機部門の将来に輝きを与えた。

ボーイング社のまとめだと、2013年の民間機生産機数は5機種で合計648機。同社の年間生産機数として過去、最高を記録した。機種別内訳を見る。

売れ筋のトップはB737NG(次世代型)が440機。ついで世界最大の双発ジェットB777型機が98機で航空会社が同機の経済性に着目していることを改めて裏付けた。運航停止に追い込まれ一時警戒信号が灯ったB787『ドリームライナー』は対策が効果をあげ、同時に量産体制の進捗でボーイングの屋台骨を支える存在感が出てきた。2013年の生産機数は65機に達した。

B747型は24機、B767型は21機で老兵の域にはまだまだ遠いようだ。

各機種合計の年間受注機数は1,531機を数え、キャンセル分を相殺した”真水”は1,355機と過去2番目の実績だった。とりわけ目立ったのは昨年11月の中東ドバイでの航空ショーで明らかになったB777型次世代シリーズへの950億ドルに上る受注。ライバルのエアバスを振り切る決定打となったのは間違いない。同社の集計では、受注残は5,080機とはじめて5,000機台に載った。

エアバスもここへ来て勢いに乗るB787のライバル機A350XWB型機で巻き返しに虎視眈々。両社の民間旅客機トップの座争奪戦はこの先一層激化しそうだ。

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