露海軍が検討中の新空母の概要


2014年 2月4日  ジョン・ボスニッチ(ベオグラード)

露海軍が検討中の新空母の概要が明らかになった。空母等、水上艦艇の設計に当たってきた、ロシア最古の海軍設計局『ネフスコェ・デザイン・ビューロウ』のセルゲイ・ウラソフ総設計長の言としてノーボスチ通信が2月4日、報じた。推進動力に原子力を利用する可能性も一つのアイディアだと言う。プーチン政権は北極圏の海洋資源確保で海軍の『オーシャン・ネービー』化に舵を切った。新空母建造が今後具体化すれば、”七つの海”で米、露、中が空母機動部隊投入で海洋覇権で競う事になる。

同設計局はサンクトペテルブルグが本拠で創立80年以上。旧ソ連時代から空母を含む水上艦分野設計で最古の歴史と先導役をまかされてきた。ウラソフ總設計長の発言はそれだけ重みがある。

技術的に検討中の新空母は在来型の推進装置に頼る65,000㌧級の通常空母と原子炉搭載で85,000㌧クラスの原子力空母。搭載航空機は在来型が55機、原子力空母は70機を想定。第五世代のステルス戦闘機、無人偵察機が候補機種だ。完成目標は2023年。現役の米空母に比肩する戦力を秘めている。問題は建艦コスト。原子力空母だと71億ドルで国防予算の台所には負担がかさみすぎる。装備の単純化等で切り詰める事も新空母の実現に必要となるとみる。

ウラソフ総設計長は露海軍は北方、太平洋の艦隊でそれぞれ2隻の空母配備を主張。海軍制服組の声を代弁している。

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[(Ministry of Defense of the RF)スキージャンプ台方式の飛行甲板を離陸する露海軍最新の戦闘機]