エアバス、シンガポール航空当局と次世代管制システム対応で本格協力


ー同分野で特化したエアバス関連会社『エアバス・プロスカイ』、シンガポールに拠点新設ー

2014年2月16日    ジョン・ボスニッチ(ベオグラード)

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[(AIRBUS)シンガポール航空が導入したエアバスA380型機]

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[(AIRBUS)次世代省エネ広胴型機AA350XWBが待つ次世代管制システムへの転換]

エアバスはこのほどシンガポールに同社の航空管制システムを担当する関連会社『エアバス・プロスカイ』の新事務所を開設すると発表した。次世代管制システムへの対応でエアバスとシンガポール民間航空局が過去1年進めてきた共同研究の結果、具体策を進めるため2014年4月、『エアバス・プロスカイ』の現地進出が決定した。

欧米では2025年を目標に次世代航空管制システム構築が前進している。米国は『Next Gen』、欧州は『SESAR』と命名。アジア太平洋地域は後塵を拝した格好だ。

しかし、ボーイング、エアバスの最新航空機需要予測でもアジア太平洋地域での航空需要の伸びは北米、欧州比べ際立つ成長力だ。次世代航空管制システムの導入整備は何れ緊急の課題となる。

現用の航空交通管制システムは『ATM』の名称で航空管制、航空交通流管理、空域管理の三大業務で構成されている。

次世代システムの構築では 1)事業規模が大きく、リードタイムが長期間。2)地上施設と並び機上側の装備を並行開発。統合運用から管制機関に留まらず運航者、機体メーカー研究機関との共同作業が欠かせぬ。3)機上、地上と並んで衛星システムの技術動向を見据え計画的導入が必須。4)先行する欧米の動向を踏まえ、関係国、関係機関との密接な協力、協議体制を整える。ー等が不可欠と航空関係者は指摘する。

シンガポールは航空大国を国家目標の一つに掲げ着々インフラ整備に余念がない。今回、次世代管制システムで対応でアジア太平洋地域で先頭に立つ事で、今後、航空輸送が軸となる世界経済の変遷で優位な立場を確保出来る。