ボーイング、次世代B777-Xシリーズの主翼製造拠点をエバレットに決定


ーワシントン州が民間航空機のメッカとし存続ー                                                                2014年2月18日 マーク・デブリン(米フロリダ州マイアミ)

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[(Boeing)B777-X型シリーズの新型主翼製造拠点に選ばれたエバレット工場の隣接地(青丸で囲んだ部分)]

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[(Boeing)ボーイングが次世代双発旅客機のチャンピオンに位置ずけるB777-X]

ボーイングが次世代双発旅客機市場の”チャンピオン”に位置ずけるB777-Xシリーズの新型主翼製造拠点がワシントン州エバレット工場に決定した。2月18日、ボーイング副会長兼民間航空機部門CEO(最高経営責任者)、レイモンド・コナーが発表した。一時は米国内の他州移転説が有力視され、民間航空機の”メッカ”、ワシントン州の将来が危ぶまれた。地元自治体はボ社の最終決断を諸手を上げて歓迎。同社のエンジニアー、技能工等、テクノロジーにたけた従業員がメンバーのIAM(国際機械工連盟)労組も『ワシントン州が今後も最先端の航空産業先進地域に留まる』と経営陣への賛辞を惜しまなかった。

B777-Xシリーズの主翼は軽量で強度にすぐれた炭素繊維が核の複合材で製造される。B787『ドリームライナー』開発で手にした技術成果を最大限取り入れ、航続性能、燃料節約、客室収容能力増などでライバル機に追随を許さぬ機体を目指している。問題は製造コスト引き下げと労働コストのマッチングだった。

IAMとの労働条件改定交渉が難航し、ボーイング経営陣はB777-Xの製造拠点を米国の他州へ求め誘致運動が一斉にわき上がった。

しかしボーイング労資双方が妥協し向こう8年間、労働条件の平和協定締結にこぎつけ、今回のB777-Xシリーズ主翼製造拠点のエバレット工場隣接地選定となった。

発表によると建設地はエバレット工場の北側。最終組み立てラインとも近い。超大型貨物機『ドリーム・リフター』で主翼製造の国際サプライ・チェーンを組み苦労したB787型機の反省が込められているようだ。輸送コスト節減、内外の複雑なサプライチェーンに伴う現場相互の混乱防止、ハイテク製造技術の米国残留ーなど21世紀の新たな米産業振興策にも繋がる。

B777-Xシリーズ製造工場は敷地が100万平方フィート。関連部品の制作、複合部材使用の新型主翼組立てを全面的に受け持つ。ボーイング企業城下町、ピュージェット・サウンド地域で数千人規模の雇用を生み出すと見込まれる。

ボーイング社は中東の有力航空会社を中心に数百機の発注を確保、ルフトハンザ航空に続き英国航空も近く発注に踏み切るとの情報がある。