防衛省、南西諸島周辺で中国海軍の動向を探知


 2014-03-02 小河正義

2014-03-04  Revised

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図:(海上自衛隊)3隻の中国艦隊を発見した第3護衛隊所属護衛艦「まきなみ」。「たかなみ」型級護衛艦5隻のうちの1隻で、満載排水量6,300㌧、対空兵装として32セル型VLSを1基、艦橋前部と127mm単装砲の間に装備している。

防衛省統合幕僚監部は3月2日、中国海軍のミサイル駆逐艦など3隻の艦船が第一列島線を超えて東シナ海ー西太平洋を往来したのを確認したと発表した。

東シナ海を西太平洋方面に向かう中国の艦船を最初に発見したのは3月1日、午前5時頃。宮古島北東、約110㌔の海域で針路を南東にとる3隻の艦船を警戒監視中の海上自衛隊第3護衛隊(大湊)所属の護衛艦『まきなみ』(4,650㌧、175人乗り組み)がキャッチした。上空からも第5航空群(那覇)の対潜哨戒機P3C『オライオン』が捉えた。

中国海軍所属の艦船は『ルーヤンⅡ級』ミサイル駆逐艦1隻、『ジャンカイⅡ級』フリゲート艦2隻と判明した。以下の写真説明にあるように、いずれもここ1~4年の間に就役した最新型の艦であることに注目したい。

その後の継続監視で、中国海軍艦船は沖縄本島と宮古島間の第一列島線を越え、沖縄本島南西約650㌔の西太平洋上を南西進する同一の艦船を確認したという。

今回の南西諸島周辺での中国海軍の動向が単なる訓練なのか、隠された意図があるか等は現時点では不明。

以下は沖縄本島–宮古島間を往復した中国艦艇の写真。天候のせいかやや不鮮明である。

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図:(防衛省)Luyang II「旅洋II」級ミサイル駆逐艦、艦番号150の艦名「長春」/ Changchunで、昨年就役したばかりの新造艦。本級は中国版イージス艦と呼ばれる僚艦防空能力を持つ最新鋭駆逐艦で、今年中に6隻が揃う。満載排水量約7,000㌧、対空兵装は、HHQ-9 SAM用6連装VLSを8基装備する。

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図:(防衛省)Jiankai II「江凱II」級フリゲ–ト艦、艦番号548の艦名は「益陽」/Yiyangで、2010年就役の艦。本級は2008年から就役が始まった最新のフリゲート艦で現在同型艦は16隻が就役したと見られる。満載排水量約4,000㌧、対空兵装はHHQ-16 SAM用32セルタイプのVLS1基。上の「旅洋II」型ミサイル駆逐艦とともに中国海軍の外洋進出の柱である。

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図:(防衛省)同じくJiankai II「江凱II」級フリゲ–ト艦、艦番号549の艦名は「常州」/Chagzhouで就役は2011年と新しい。

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