防衛省、中国空軍機の南西諸島周辺での活動実態を積極公表


2014年3月3日     小河正義

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[(防衛省)中国航空戦力等の我が国周辺空域における活動]

中国軍の尖閣列島周辺等での活動について、防衛省は活動実態を積極広報する方針に転じた。同省のウェブサイトにこのほど『中国航空戦力等の我が国周辺空域における活動について』と題するコーナーを開設した。これまでは中国軍機等への緊急発進は、特異なケースと四半期ごとのスクランブル総括発表が一般国民が知る手段だった。しかしこうした広報戦略では、マスメディアの報道が限られ、より実態に迫る情報の開示を求める要望がこのところ強くなっていたという。

防衛省は2月28日から『防衛省の取り組み』で開設した項目に『中国航空戦力等の我が国周辺空域における活動について』はSNS時代に対応した同省の広報戦略として注目される。一度アクセスしてみれば判るが中国空軍機の尖閣列島周辺への活動の激変ぶりと詳細な実態を一瞥して理解出来る。防衛省が貫いてきた”受け身の広報”から、一般国民との直接対話への転換として注目したい。

米国、ヨーロッパ主要国、中露等の旧社会主義国も防衛問題で一般国民への情報開示では先行している。特に国益が脅かされる外国機へのスクランブルのケースでは実態を知らせる事で公平な判断を促している。

防衛省は中国が東シナ海で活動する中国空軍機の使用機種について間接的表現ながら分析の一端を示した。スホーイSU-27『フランカー』、中国純国産機J-10等最新鋭機の投入で、すでに尖閣列島の制圧、攻勢を睨む中国の姿勢が透けて見える。