2014年3月5日 ジョン・ボスニッチ
ロシア軍が、機動型ICBM『トーポル』の発射実験を3月4日迄に行なった事が判った。露国防省が明らかにした。今回の試射は、ウクライナ・クリミア半島を巡る緊迫した情勢とは無関係で、以前から計画していたという。露側は、クリミア半島への軍事力増強以前の決定で、事前に米国に今回のミサイル発射実験を通告していたという。
機動型ICBM『トーポル』は地下サイロに配備したICBM(大陸間弾道弾)に比べ有事の際、標的として捉えにくい。つまり敵の報復攻撃から”生存性”が高いタイプで、米軍は同ミサイルの動きの監視に細心の警戒と注意を払っている。
テスト発射した機動型ICBM『トーポル』はロシアのミサイルテストセンター、アストラハン州のカプスチンヤール基地を使用。模擬弾頭はカザフスタンの標的に命中したと露国防省は国営ノーボスチ通信に言明した。
『トーポル』は性能向上を諮っているが今回のタイプはRSー12M。初期型で弾頭部の搭載兵器は核弾頭1個という。
しかし、ウクライナ・クリミア半島での露、ウクライナ軍の対峙と言う状況での『トーポル』試射は、軍事専門家の間でキエフへのプレッシャーに繋がると見る向きが強い。
プーチン政権は軍事力の回復と巧みな外交戦術で、欧米を翻弄しそうだ。
[(DoD RF)ペンタゴンも注視する機動型ICBM”トーポル”の動静]