マレーシア航空B777型機、消息不明(第4報)


ー捜索活動難航、マレーシア機クアラルンプールへのUターン飛行試みる?ー

2014年3月9日      John Bosnitch & Aaron Teruuli

乗客乗員239人が搭乗、行方不明のマレーシア航空B777型機について、レーダー画面から機影が消失する直前”謎の旋回飛行”を していた新事実が明らかになった。捜索救難活動のトップ、マレーシア空軍の参謀長が3月9日の記者会見で示唆した。

それによるとマレーシア航空機のレーダー記録を詳細に解析した結果、地上の航空管制機関と交信を絶つ前、機体がUターンし出発地のクアラルンプール空港へ向かう試みを乗員が取った可能性が出てきた。しかし、機体内で異変発生を知らせる遭難信号、HJ信号等の発信の痕跡が無く今後、謎のUターン飛行の背景について更なる状況証拠の収集と解明が急がれる。

クアラルンプール発北京行き、マレーシア航空370便、ボーイング777-200型機の動静については3月8日午前2時40分頃(現地時間)、サバンの航空路管制所と交信を絶ち、レーダー画面から突然機影が消失以降の航跡は全く掴めていない。最後の交信地点と飛行計画のルートから想定される南シナ海、タイ湾に近い海域を中心に関係国の艦船40隻、航空機20機が加わって懸命の捜索救難活動が続行中だ。

しかし、同機の消息に繋がる決定的情報は無く、唯一ベトナム沖で2本の油の帯が発見され、関連性について究明が行なわれているだけ。

マレーシア空軍のレーダー解析の新事実浮上で遭難現場が海上だけでなく、マレー半島の陸上部にも及ぶ可能性があり、捜索範囲をこれ迄以上に拡大を余儀なくされそう。

同時に乗客名簿に記載されたイタリア人など2人について、実際に搭乗せずパスポート盗難にあっていたミステリーも発覚した。中国の人権民主化運動ニュースセンターはマレーシア航空機の行方不明に関連し、中国軍に北京中心部に近ずく不審な民間機の撃墜命令を出したと伝えたという。

マレーシア政府は盗難パスポートを使用し搭乗した乗客の映像を防犯カメラの記録から割り出し、FBI、情報機関等に身元の照会を急いでいる。

マレーシア航空機は万一、遭難した際、遭難地点を知らせる遭難信号発信器(ELT)、飛行データ記録計の場所を知らせるピンガーと呼ばれる発信装置も装備している。

にもかかわらず、発生から丸2日近く遭難現場を特定出来ないのは異常な事態だ。

一方、米国のNTSB(国家運輸安全委員会)は遭難事故と確定するのに備え、複数の事故調査官を現地へ派遣。ボーイング、FAA(連邦航空局)の事故調査専門家、技術者も同行し、マレーシア政府に技術的な側面の支援に当たる。

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[(MINISTRY OF NATIONAL DEFENCE、Vietnam)遭難現場の可能性が強い南シナ海の海図]