[(US NAVY)米海軍が”ブラック・ボックス”探知で投入を決断した”ハイテク・ソナー”]
[(US NAVY)南インド洋上でマレーシア機の残骸探査の第一線に立つ、米海軍最新鋭対潜哨戒機、ボーイングP8A”ポセイドン”の機内]
[(US navy )マレーシア航空機事故原因究明で欠かせぬ”ブラックボックス”回収で、米海軍は虎の子のハイテクソナー(TPL-25システム)提供を決断した。]
2014年3月25日(JST.11:00) John Bosnitch & Aaron Terruli
行方不明からほぼ半月が経過したマレーシア航空、B777型機は、南インド洋上で遭難、乗客、乗員239人全員絶望とマレーシア政府が断定した事で、焦点は原因究明の鍵を握る『ブラック・ボックス』の発見に移った。米国防総省のチャック・ヘーゲル長官は3月25日までにマレーシア政府、フセイン国防相兼運輸相代行の事前の要請に応え、米海軍の持つ海底探査能力でトップレベルにある『ハイテクソナー』の墜落想定現場への投入を決断済みという。第7艦隊にも配備された装置は民間航空機で豪州を経由、米海軍艦船に搭載のうえ豪州西部、パース南西2,500㌔付近で困難な捜索活動に当たる。
米海軍によると、投入を準備中の『ハイテクソナー』は『TPL−25 Towed Pinger Locater System』。地球上のどの地点でも最大深度さ6,000㍍迄、運用が可能だという。曳航式で船体の尾部から牽引、プロペラからはなれた地点で探索する為、キャビテーション等プロペラが出す騒音から逃れる事が可能。取り付けた一列の水中聴音マイクはブラックボックスが発信するシグナル音を自動受信するという。但し、曳航スピードは毎時1~5ノットと低速運用が必要で捜索対象海域を絞り込む必要がある。
関係者によると、ブラックボックスが発する信号音は毎秒、37.5キロヘルツ。米海軍の『ハイテクソナー』は該当シグナルをキャッチすると自動録音し、オシロスコープかコンピュター状に表示。逆算して発信源の正確な地点を探り出せる。
2009年6月、南大西洋上で墜落したエールフランス、A330型機のブラックボックス捜索でも威力は証明済みだ。米海軍のブラックボックス回収の本格支援決定で依然、謎に包まれたマレーシア航空、B777型機の遭難原因の解明に有力な手がかりがもたらされよう。