マレーシア航空、B777型機行方不明(第20報)=米海軍、遭難機の本体発見、ブラック・ボックス回収で無人深海潜水艇投入を発表=


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[(DOD)マレーシア航空機遭難現場で無人深海潜水艇、ハイテク・ソナー投入を発表する米海軍報道官ジョン・カービー少将]

2014年3月25日(JST.11:50)            John Bosnitch & Aaron Terruli

米国防総省は遭難が確定したマレーシア航空、B777型機の機体の残骸を突き止め、事故原因解明の鍵を握る『ブラック・ボックス』回収で、無人深海潜水艇、ハイテクソナー装置を中継地の豪州へ輸送開始した。3月24日、ペンタゴンで行なわれた記者会見で米海軍報道官、ジョン・カービー海軍少将が明らかにした。深海での航空機や、潜水艦探索、残骸回収能力は米海軍ハイテク技術の独壇場。マレーシア政府の要請に米側が積極的に協力体制を打ち出した。これら装置は米国から空輸後、現場付近へは民間船をチャーターして海上輸送する手はず。ブラックボックスが発信するシグナル音は、電源バッテリーの寿命が2週間強。”時間との戦い”となる。

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[(BLUEFIN ROBOTICS)米海軍がマレーシア航空、B777型機の遭難現場特定で派遣した無人深海潜水艇”ブルー・フィン21]

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[(BLUEFIN ROBOTICS)同上]

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[(BLUEFIN ROBOTICS)深海探査作業中のブルー・フィン21]

米海軍によると、遭難現場と措定される海域で新たに投入が決まったのは無人深海潜水艇、『ブルー・フィン21』とハイテクソナー、『TPL−25 Towed Pinger Locator System』の2種類。後者については『マレーシア航空、B777型機行方不明(その19)』で詳細を報じてあるのでここでは、無人深海潜水艇に留める。

『ブルー・フィン21』は米マサチューセッツ州、クウィンシーのハイテク企業『ブルーフィン ロボティック』社が開発製造。海底探査、遭難救助引き上げ、古代遺跡の発見、機雷の探索等適用範囲は多岐にわたる。潜航能力は14,700フィート時速3ノットで25時間連続航行が可能。自律航法で船体の左右に側方走査ソナーを装備。マルチビーム・エコー・サウンダーも装備している。

能力を最大限に発揮するには、マレーシア航空、B777型機遭難地点を一定範囲に絞り込まないと、せっかくのハイテク機器投入も空振りに終わる。

何れにしろ無人深海潜水艇、ハイテク・ソナーを投入した事で、南インド洋の深海底に沈んだと見られる機体の大半の在処が、早急に突き止められるよう祈るしかない。