2014年3月27日(22:30) 小河正義
防衛省統合幕僚監部は3月27日、露・電子情報収集機が中国地方、日本海側に接近したため、緊急発進したと発表した。
統合幕僚監部によると、3月27日、日本海西部を南下し、防空識別圏(ADIZ)を超えた国籍不明機のレーダー航跡を西部航空方面隊の防空レーダーが確認した。待機中のF-15『イーグル』戦闘機にスクランブル出動を命じた。該当機に接近、確認の結果、該当の国籍不明機は露海軍電子情報収集機、イリューシンIL-20『クート』と判明した。
露機は日本海西部付近から南下し隠岐島沖合で針路を南西に変更、対馬列島東方で楕円形に旋回。以後、往路をたどって沿海州方面に去った。露軍が連日、ほぼ同コースに同型機を出動させた意図は不明だが、米韓両軍が実施中の合同軍事演習『サーン・ヨン(Ssang Yong=双頭の龍-)』への牽制と潜水艦索敵の可能性がある。領空侵犯には至らなかった。
図:(防衛省)3月27日露海軍電子戦情報蒐集機Il-20の飛行航跡
図:(防衛省)3月27日日本海上空で空自戦闘機が撮影した露海軍電子戦情報蒐集機Il-20
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☆米海軍によると3月27日、米韓合同の軍事演習『サーン・ヤン(双頭の龍)2014』がスタートした。米側は第7艦隊の水陸両用部隊2,500人と沖縄の米海兵隊海外遠征連隊7,500人が参加。韓国軍は3,500人の海兵隊員、1,000人の海軍が加わった。豪州も130人の陸軍兵士を派遣している。強襲揚陸艦『ボンノム・リチャード』など米韓合わせて20隻の艦船が演習に組み込まれている。4月7日迄続く。
[(US NAVY)強襲揚陸艦”ボンノム・リチャード”を発着艦するMH-60Sヘリコプター]