マレーシア航空、B777-200型機行方不明(No28)=想定遭難海域で、無人深海潜航艇『ブルーフィン21』が探査=


2014年4月14日(JST.20:40)                       John Bosnitch & Aaron Terruli

乗客乗員239人を乗せ行方を絶ったマレーシア航空、B777-200型機の機体捜索の鍵となっていた『ブラックボックス』の音波発信電源が寿命を迎えたと推定される為、豪州のJACC(捜索救難調整本部)は米軍提供の無人深海潜航艇『ブルーフィン21』に事態打開の命運を託す。同本部の調整任務に当たっているアンガス・ヒューストン将軍(退役)が4月14日迄に明らかにした。同潜航艇は水深、4,000㍍の水圧にも耐え行動が可能で、優れたソナー装備、遠隔操作で周囲の写真撮影が可能なロボット・カメラ等、ハイテク機能を総動員し、捜索活動の”勝負”に出た。

豪州西部のパース市西方の約2,000キロ付近の南インド洋でキャッチした37.5㌔ヘルツの超音波は、アボット首相が遭難機の『ブラックボックス』が発信したと太鼓判を押した。しかし4月8日以降、捜索中の艦船、航空機は一度も探知出来ない状態に陥った。発信の電源バッテリーの寿命は遭難時点から約1ヶ月。発生が3月8日で、すでに電源が寿命で、現地の捜索関係者は信号を再びキャッチ出来ないとの判断だ。

このため、これまで出動を見合わせていた『ブルーフィン21』の能力に機体の残骸、『ブラックボックス』の沈没場所の特定を委ねる事になったという。『ブルーフィン21』は米海軍と米国のハイテク企業ブルーフィン・ロボティックスが開発。長さ4.93㍍、直径53センチの円筒形。時速4.5ノットで航行、自律航法で移動する。ロボット・ビデオカメラも装備、移動中の周辺の状況を母船からも観測可能だ。最大潜航深度は4,500㍍と言われる。豪州海軍の海洋観測艦『オーシャン・シールド』(6,500㌧)に積み込まれ、遭難想定海域に到着済みで発進命令が下るのを待っている。

捜索救難活動の長期化は費用の面で関係国に重荷となっている。予算削減の厳しい財政事情の中で、米海軍の場合は700万㌦を超えたとも言われる。捜索態勢のあり方が長期戦になった際、議論となろう。Operation Southern Indian Ocean

[(US NAVY)米海軍が提供した無人深海潜航艇”ブルーフィン21″]