スカンジナビア航空機が、露海軍電子偵察機とニアミス


2014年5月10日(21:20)                                John Bosnitch

スカンジナビア航空(SAS)の旅客機がバルト海上空で、露海軍電子偵察機とニアミス(異常接近)に遭遇した。最接近時は90㍍の間隔できわどいケースだった。デンマーク当局は事故扱いの調査は行わないという。

ニアミスを報じたのはスウェーデンのSveriges TV。それによると発生したのは、2014年3月4日。スエーデン南部のマルメ南方のバルト海上空。コペンハーゲン発ローマ行きSK681便が飛行中、前方を左から右方向に突然、露軍機が横切ったという。視界が悪く、最接近時の2機の間隔は90㍍だったと機長は報告している。

加えて、露軍機は『トランスポンダー』(機上応答機)が不作動状態で、地上管制機関の『二次レーダー(SSR)』で捕捉できなかった上、SAS機の『TCAS(空中衝突防止装置)』にも反応は現れなかった。機長らSAS機の乗員のとっさの回避がなければ深刻な事態に陥った可能性がある。

機長らの目撃証言で相手機の露軍機はイリューシンIL-20『クート』電子偵察機と判明した。露軍機のバルト海上空での活動は最近活発化。再発防止策として軍レーダーが国籍不明機をレーダーで発見した際、いち早くスクランブル(緊急発進)行動に出て民間機の護衛任務に就くべきと現地の軍事、航空専門家はコメントしている。

日本周辺でも、一時、連日の様に、露軍偵察機が接近、イリューシンIL-20『クート』が頻繁に飛来しているという。

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[(航空自衛隊)日本列島に接近した露海軍電子偵察機イリューシンIL-20″クート”]