エチオピア航空、B787地上火災事故で発火源はリチューム・イオン電池の取り付け不備


2014年6月19日(JST.20:00)                            Aaron Terruli

昨年7月、ロンドン・ヒースロー空港で駐機中の航空、B787-8型機の胴体後部で起きた火災事故で、英国運輸省・事故調査委員会(UK AAIB)は”火源”となったELT(緊急位置発信装置)のリチュームイオン電池取り付けに問題があったとする特別報告(SPECIAL REPORT)を6月18日、公表した。問題の装置については取り外し、再発防止をはかるほか、来年迄にAD(耐空性改善命令)発出するようFAAに勧告した。事態の重要性から同報告とりまとめとなった。最終報告書までにはなお時間がかかる。

この火災事故は昨年7月2日の白昼、アジスアベバへの折り返し飛行準備で、地上待機中、突然機体後部で火の手が上がった。火災は胴体左側天井付近をなめる様に拡大、後刻、大規模修理でようやく路線就航に復帰した。

英航空事故調査委員会で調査の結果焼けただれた部分の火源はELTの電源リチュームイオン電池以外、存在しない事が判明。激しく損傷した電池をCTスキャンなどで調べた。その結果、電池内部で『熱暴走』と呼ばれる現象が起きていることを突き止め、分析の末、電池の取り付けに問題があると判った。

メーカーのハネウェルは事故後、航空会社に緊急連絡で使用中止、取り下ろしを求めた。

同時に、同種事故の再発防止でFAA(米連邦航空局)はボーイングに対し、AD(耐空性改善命令)発行を求めるとしている。

リチュームイオン電池は未知の領域があり、次世代省エネ機の代表、B787型機は”アキレス腱”をかかえたまま運航する。

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[(Boeing)エチオピア航空の主力機種、B787]