モスクワ地下鉄脱線事故で162人が死傷。史上2番目の事故


2014年7月16日(14:20)                          John Bosnitch

モスクワの通勤、通学の大動脈、地下鉄で7月15日、朝のラッシュ時に脱線事故が起き、現地のメディアは非常事態省の情報として、『死者22人、重軽傷者160人』(現地時間、7月16日早朝時点)の大惨事と伝えた。モスクワ地下鉄の事故としては、史上2番目の大事故だったと言う。これ迄の原因調査で、信号システム関連の電気回路での故障が列車に急制動がかかり、乗客多数が将棋倒しで圧死者が続出したらしい。

モスクワ地下鉄は、1日あたり600万人以上が利用。東京の地下鉄網に次ぐ世界第2位の輸送規模。スターリン時代、防空壕機能も兼ね建設、現在も路線延長が進んでいる。都心部を中心に事故現場を含め、深さ80㍍の大深度構造。救出作業に困難を極める背景と指摘される。

脱線事故は『濃紺カラー』で示された路線。6両編成の列車に200~300人が乗り合わせていたらしい。事故現場の放映動画では車両の大半が連結部分でくの字で脱線している様に見える。

事故発生直後から、多数の救助隊員、病院へ救急搬送する車両、ドクターヘリなど総動員で救出作業が行われた。南米を訪問中のプーチン大統領は犠牲者の遺族などに弔意を評した。ソビャーニン、モスクワ市長は喪に服するよう指示した。

モスクワ地下鉄での今回のようなシステム故障の事故件数は開業80年の歴史で比較的少ない。最近では昨年6月隧道内でケーブルが発火、煙が立ちこめ大混乱に陥った他、ホームと地上を結ぶ長大エスカレーターの緊急停止で多数の乗客が折り重なり死傷者が出たケースもある。

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[(MOSCOW METRO)モスクワ市内を縦横に結ぶ地下鉄路線]

☆ 『モスクワ地下鉄事故で、総裁を解任。セルゲイ・ソビャーニン市長、プーチン人脈のドミトリィ・ペゴフ氏を任命』

2014年7月22日(JST.18:50)                          John Bosnitch

モスクワのセルゲイ・ソビャーニン市長はモスクワ地下鉄の新総裁にドミトリィ・ペゴフ(ロシア鉄道高速鉄道サービス部長)を任命した。イワン・べセディン前総裁は事故の最高責任者として解任した。新総裁はプーチン人脈に属する。

モスクワ地下鉄での列車脱線事故はアルバーツコーポクロフスカヤ線(濃紺が目印)で7月15日早朝のラッシュ時に発生。最新の集計では23人が死亡、160人以上が重軽傷の大惨事となった。

事故原因は直前の電気回路切り替え工事が杜撰で信号機の作動が故障。急停車を余儀なくされた6両編成の車輛が連結部でくの字で脱線。折り重なった乗客に多数の圧死者が出た。

ソビャーニン市長は『最も安全な公共交通機関の信頼回復が、新総裁の最大の使命』。