2014年7月26日(JST.04:20) Aaron Terruli
豪州空軍向けの次世代ステルス戦闘機、F35『ライトニング』、２機がこのほどロールアウトした。今年後半、正式受領する。米国でパイロットの操縦訓練を実施、2018~2022年にかけて合計72機を導入する。中国の西太平洋での際立った戦力強化に見られる新たな国際情勢を睨み、豪州政府は同型機の購入機数を100機へ増加する方針。
最終組み立てラインから、完成した機体を送り出すロールアウトの式典はF35型機の製造拠点テキサス州ダラスに近いロッキード・マーチンのフォートワース工場で7月24日、行われた。豪州政府から財務大臣、マチアス・コールマン上院議員、空軍参謀総長、ジェフ・ブラウン空軍元帥らが出席。豪州空軍の将来の屋台骨となるF35型機への並々ならぬ期待を表明した。
豪州政府によると、ロールアウトした2機、『AU-1』、『AU-2』は今年後半正式に引き渡される。その後、アリゾナ州ルーク空軍基地で関連パイロットの養成訓練を実施。2018年に豪州国内に整備した同型機の受け入れ基地での展開を始める。購入予定の72機は2022年迄に受領を終える。
配備先はニューサウスウェルズ州のウィリアムタウンに2個飛行隊、北部特別州のチンダルに1個飛行隊。しかし戦略環境の劇的変化に対応して豪州空軍は最終的に更に1個飛行隊をアンバレーに配備、100機体制を目指すという。
導入の予算措置としては4億1,200万㌦が契約済。最大、60億㌦の支出が計画されている。
離陸直前のエンジン火災等、安全性への不安が残る中で、豪州空軍向けの機体がロールアウトした事で、9ヶ国で2,600機の調達を予定するF35型プロジェクトは着実に進行している。
[(LOCKHEED MARTIN)ロールアウト式典に参加したジェフ・ブラウン空軍参謀総長]
[(LOCKHEED MARTIN)財布の紐を握るマチアス・コールマン財務相]