ボーイング、NATO軍からAWACS(早期空中警戒管制機)、E3A『セントリー』のアビオニクス近代化受注。13機で2億5,000万㌦の契約。


2014年8月7日(JST.11:30)                         Aaron Terruli ボーイングがNATO軍の”空飛ぶレーダー基地”、AWACS(早期空中警戒管制機)、E3A『セントリー』の操縦室を含むアビオニクス(航空電子装置)の近代化改修契約を受注した。契約総額は13機で2億5,000万㌦。同社が8月6日、公表した。計画の目玉の一つは、操縦室の計器盤の完全デジタル化。4人編成から1人減のコックピット3人体制が可能となり省力化が進む。 feature11n [(NATO)独ガイレンキルヘン基地で駐機中のE3A"セントリー"] K66185+AWACS+med [(Boeing)デジタル化が完了後のE3A"セントリー"の操縦室] E3A『セントリー』の空中での高度な機能は、2度の湾岸戦争、コソボ紛争でのユーゴ空爆の出撃で航空優勢を確保する影の主役だった。戦闘機を巧みに誘導する敵味方識別能力、敵の地上レーダーに電子妨害で”目つぶし”を加える電子妨害攻撃能力。実力の一端はユーゴで撃墜された米空軍ステルス戦闘機F117『ナイトホーク』のパイロット救出劇でも遺憾なく発揮された。ウクライナ紛争勃発以来、ロシア西部国境周辺を常時監視下におき、露軍の動向をスパイ衛星とのタッグマッチで把握する役目を果たした。露軍に取っては目の敵。 ただ、機体が第二世代のジェット旅客機、ボーイング707-320型機で、操縦室の計器表示、電子装置の時代遅れがここへきて目立ってきた。そこで、アナログ技術中心の同機に近代化改修のメスを入れる事が決まった。具体的には操縦室で民間機であたりまえのデジタル技術導入。計器表示が一新する。パイロットの仕事量の負荷軽減で、これまで正副操縦士、航空機関士、航法士、4人編成が3人編成へ省力化される。航空管制システムが今後、加速度的に変化することへの対応でもある。その他各種電子装備品も最新のエレクトロ二クス使用の器材へ換装される。民間機で培った技術を採用し、無駄な開発経費を抑えた。 NATO軍が保有するE3A『セントリー』は現在、17機。ガイレンキルヘン(独)、アクティオン(ギリシャ)、コーニャ(トルコ)、トラッパー(伊)エルランド(ノルウェー)に分散配備。有事の際は前進基地へ展開する。近代化改修は2016年に着手、2018年に完了予定。米空軍の同型機で、操縦室デジタル化、アビオニクス換装を主とする機能強化プログラム(EMD)が先行実施され、飛行テストが2014年第4四半期に始まる。 仏空軍は保有するE3A『セントリー』4機で、ボーイングとの契約で電子装備換装など近代化計画に着手。改修済みの機体、第1号を最近受領した。