イランで双発ターボプロップ旅客機が墜落。約40人が犠牲?


2014年8月10日(JST.19:50)                                 John Bosnitch

イランの首都テヘランのメハラバード国際空港で8月10日午前9時18分頃(現地時間)、離陸直後の双発ターボプロップ機が墜落した。イラン国営PRESS TV、国営IRNAが相次いで報じた。同機には乗客40人以上(未確認情報では48人)が搭乗していたといい、乗員も含め多数が犠牲となった模様。

事故機はメハラバード国際空港発タバス行きのタバン航空IRAN-141型機。ウクライナのアントノフ社製An140型機をライセンス生産した国産機だった。

情報では、離陸直後進行方向の右側にそれ近くの人口密集地に墜落したという。機体は墜落の衝撃で完全に破壊した。エンジンが不調だったとの見方が流れている。

イランでは経済制裁のあおりで欧米製の旅客機輸入が途絶。過去に導入した、ボーイング、エアバス機の経年劣化、部品不足、整備不良がイランの空の安全を著しく阻害しているとされる。

こうした隘路を打開するため、旧ソ連時代に発足、ウクライナのキエフに本拠を置くアントノフ社の協力で同社が開発した双発ターボプロップAn140型機をイラン国内で2003年から、ライセンス生産。『IRAN-141型』機の機種名を与えている。

イラン国内での航空機事故として過去発生したケースは、2011年3月暴風雪の中での緊急着陸失敗で77人が犠牲。2009年には168人乗りのジェット旅客機墜落で全員が死亡。2003年2月にはイラン南東部の山岳地帯でイリューシンIL76四発ジェット旅客機事故で302人の死亡が伝えられている

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[(ANTONOV)IRAN-141型機はアントノフAn-140型機のライセンス機]