[(PRESIDENT OF RUSSIA)圧倒的人気に支えられるプーチン大統領。ボロネジ視察時] 2014年8月16日(JST.7:10) John Bosnitch マレーシア航空機撃墜事件後もロシアのプーチン大統領への国民の支持率が全く揺るがない事が判った。最新の世論調査だ同大統領の支持率は82%に達し、年初に比較、約3割も上回る異常な人気沸騰。追加経済制裁で日常生活への影響が鮮明になる中で、ロシア国民の”深層心理”は被害者は我々と言わんばかりの反応だ。 露大統領の支持率調査を行ったのは独立系の調査機関『レバダ・センター(Levada Center)』。大統領にふさわしい人物との問いに『プーチン現大統領との回答が82%に達した』。2014年年初の同種調査時の52%が約30ポイントも急上昇した。マレーシア航空機撃墜事件後の追加経済制裁実施後の不利な国際政治環境に曝されてもびくともしない異常な人気だ。同大統領を追う2番手は共産党書記長、ゲンナージ・ジュガーノフの7%、3番手が自由民主党(LDP)党首、ウラジミール・ジリノフスキーの5パーセントで勝負にならない。一時は最有力後継者と見られた、現首相で前大統領だったメドベージェフは2パーセントの不人気ぶり。 他の世論調査機関の集計でもこうした傾向は似通っている。RTの報道にとると『公共世論基金(Public Foundation)』は国家の指導者として最近の実績に83%が支持を表明。ウクライナ領クリミヤ半島併合、マレーシア航空機撃墜事件後の、欧米主導の追加経済制裁にもプーチン人気が上昇する事があっても揺らぐ事無しの意外な結果となった。露政治分析が専門の国際政治学者が言う。『締め上げられば、締め上げられるほどスラブ魂は愛国主義へ向かう』。 プーチン政権は発展途上国に楔を打ち込み、露包囲網崩しに動き出した。対露輸出に軸足を置く欧州の一部にも綻びが出始めているという。国益重視のプーチン政権に譲歩を促すのはむしろイソップ物語の『北風より南風の吹き込み』が切り札か?