2014年8月22日(JST.12:30) 小河正義
2014-08-22 03:10 pm 改訂2
図:(統幕監部)8月20日午前、宗谷海峡を東進したロシア艦隊のウダロイI級ミサイル駆逐艦548。「ウダロイI級」は、満載排水量8,500㌧、大型対潜艦で強力なソナー、対潜ヘリ2機、対潜機サイルを備える。同型艦の現役は8隻。
図:(統幕監部)同じくウダロイI級ミサイル駆逐艦572
図:(統幕監部)同じくスラバ級ミサイル巡洋艦011。満載排水量11,300㌧、強力な防空力と対艦打撃力を備える巡洋艦で、3隻が就役中、写真の太平洋艦隊旗艦ヴァリヤーク(艦番号011)が今回の露艦隊の指揮をとっているものと観られる。
図:(統幕監部)同じくグリシャV級小型フリゲート350。
図:(統幕監部)同じくグリシャIII級小型フリゲート369。
露海軍のミサイル巡洋艦を含む中規模艦隊が8月20日、宗谷海峡を通過、オホーツク海方面に向かった事が確認された。防衛省統合幕僚監部が8月21日、公表した。海上自衛隊潜水艦の同海峡付近での偵察活動を露対潜部隊が発見したと報じられ、タイミングは重なるが、関連性は不明だ。
防衛省統合幕僚監部によると露海軍の中規模艦隊の宗谷海峡通過が確認されたのは8月20日、午前7時~同、午後6時の間。青森県大湊基地、第3護衛隊所属護衛艦『すずなみ』と八戸航空基地の第2航空群、P3C『オライオン』がそれぞれ発見報告した。 それによると最初に宗谷海峡を東進したのはミサイル巡洋艦『スラバ級』、『ウダロイ級』ミサイル駆逐艦2隻、『グリシャⅢ、Ⅴ級』小型フリゲート艦、各1隻の5隻。
図:(統幕監部)8月20日午後、同じく宗谷海峡を東進したロシア艦隊のソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦715。満載排水量8,000㌧、艦隊防空艦で28隻製造の予定が、予算不足で9隻に減勢、他に2隻を中国に売却した。前掲の旗艦「スラバ級」ヴァリヤーグの護衛任務を担当しているらしい。
図:(統幕監部)同じくアルタイ改補給艦。
図:(統幕監部)同じくグリシャV級小型フリゲート332。
図:(統幕監部)同じくグリシャV級小型フリゲート375.
図:(統幕監部)同じくネフデガズ級航洋曳船。
その後半日近くたって『ソブレメンヌイ級』ミサイル駆逐艦、『グリシャⅤ級』小型フリゲート艦2隻、『アルタイ改級』補給艦、『ネフテガズ級』航洋曳船各1隻が続いたという。
これら艦隊が、海上自衛隊の潜水艦を宗谷海峡付近で探知したかどうかはあきらかにしていない。海自の通常型潜水艦はディーゼル電気推進で静粛性能は米海軍の折り紙付き。将来は豪州海軍の潜水艦戦力増強で日本との技術移転、連携路線が事実上、合意している。 露側の報道で海上自衛隊潜水艦探知の情報は遅滞無く、セルゲイ・ショイグ国防相に届けられたという。 北方領土返還交渉に前向きの安倍政権に取って、クレムリンの真意を見極めるのは至難の業だ。
図: クレムリンに近いロシア版”ペンタゴン”。プーチンの側近、セルゲイ・ショイグ国防相の動きは読みづらい。
–以上−